米Cisco Systems(シスコシステムズ)は6月8~12日(米国時間)に米サンディエゴで開催したイベント「Cisco Live」において、ネットワーク製品の大幅な刷新を発表した。ルーターやスイッチなど新たに約30モデルの新製品の追加に加えて、オンプレミス管理型スイッチの「Catalyst」とクラウド管理型製品の「Meraki」の統合などを実施した。6月27日に日本法人が開催した説明会で濱田義之社長は「当社は『AI時代において、組織をつなぎ、保護する』をミッションとしている」と述べ、AI利用の拡大に向けてネットワークの強化を図る企業を支援する姿勢を示した。米Cisco Systems(シスコシステムズ)は6月8~12日(米国時間)に米サンディエゴで開催したイベント「Cisco Live」において、ネットワーク製品の大幅な刷新を発表した。ルーターやスイッチなど新たに約30モデルの新製品の追加に加えて、オンプレミス管理型スイッチの「Catalyst」とクラウド管理型製品の「Meraki」の統合などを実施した。6月27日に日本法人が開催した説明会で濱田義之社長は「当社は『AI時代において、組織をつなぎ、保護する』をミッションとしている」と述べ、AI利用の拡大に向けてネットワークの強化を図る企業を支援する姿勢を示した。
(岩田晃久)
米Cisco Systems日本法人
濱田義之 社長
今回の大幅な刷新について濱田社長は「この10年で最大規模の取り組みだ」と強調した。ルーターでは、「Cisco 8000 Secure Routers」シリーズを市場に投入する。小規模拠点向けの「8100」からデータセンター向けの「8500」まで5機種を用意した。国内では、中規模拠点向けの「8200」が多く利用される見込みだとした。セキュリティー機能を組み込んでおり、SD-WANと組み合わせてSASE(Secure Access Service Edge)を実現できることなどを特徴とする。
「Cisco 8000 Secure Routers」(左)などの新製品
スイッチ製品では「Cisco C9350 Smart Switch」と「Cisco C9610 Smart Switch」を紹介した。独自のASIC(プロセッサー)を搭載し、高いパフォーマンスや拡張性を実現しているという。今後は、ぜい弱性が見つかった際に、デバイスを再起動せずにリアルタイムでパッチを適用する「Live Protect」機能の実装を予定している。
そのほか、産業用ネットワーク機器やアクセスポイントなどで新製品を提供することを発表した。管理・運用の容易化を目的にCatalystとMerakiを統合した。従来は、どちらかの運用を選択し、それに合わせたハードウェアを購入する必要があったが、今後は、同じハードを提供し、ユーザーは自社の環境に沿ってCatalystとMerakiのどちらかを選択できるようになる。前述のルーターやスイッチの新製品は両方の管理体系に対応しており、今後、提供する製品も同様だとした。CatalystとMerakiの双方のダッシュボードで機能拡張を図ったことも明らかにした。
AI機能により、運用面のサポートの強化を図る。「AI Canvas」は、障害発生時にAIが状況を調べ、原因と解決策を提示する。その際、ネットワークの変更が必要な場合は、AI Canvasにネットワーク担当者を招き、それまでの過程をまとめたサマリーを提示する。これにより、運用担当者がメールや電話でネットワーク担当者に障害の内容を説明するといった工程を省くことが可能になり、早期にトラブルを解決できるようになるという。AI Canvasは10月にα版を提供する予定だ。ネットワーク運用向けの会話型AI「AI Assistant」についても6月からβ版の提供を開始している。