RightTouchはこのほど、記者勉強会を開き、同社が展開するカスタマーサポート（CS）領域での海外と国内の事例を分析して比較した。「AIは本当に人の雇用を減らすのか」という問いに対し、最近のAIと雇用の関係についての見解を説明した上で、データとAIを活用する同社のソリューションを紹介した。

　同社の野村修平代表取締役によると、海外企業はAI導入によりCSの自動解決率が大幅に向上している傾向が見られるという。一方で、スウェーデンKlarna（クラーナ）が2024年にコンタクトセンターのAIエージェント化を徹底してオペレーターを削減したものの、顧客体験（CX）が下がり顧客離れが進んだため、翌年方針転換し、CS要員を再採用した事例を解説した。

　日本企業の特徴としては、人材を解雇するのではなく、これまで人の手が回らなかった領域にAIを使う「データで人を拡張する」アプローチを採用していると指摘。海外が労働コスト削減を起点とするのに対し、日本は人材希少性の補完を起点としているとの違いが見られるという。

　その上で、CS業務の基盤となるRightTouchの「QANT」プラットフォームとプロダクトを紹介。煩雑なVoC（Voice of Customer）活用をAIで自動化する「QANT VoC」、Webサポート施策のAIでの半自動化などが可能な「QANT Web」、幅広い範囲のAIオペレーター対応ができる「QANT スピーク」などを導入することで、VoCやナレッジを軸にCS業務全体のPDCAを統合し、AI活用を進められるとアピールした。

　野村代表取締役は「CSはお客様との接点のはずだが、コストセンターのように見られることがある。強い企業はお客様の声をしっかり事業に反映しようとしており、我々のデータ活用やテクノロジーを介してお客様に価値を届けられるよう寄与したい」と力を込めた。（下澤 悠）