OTセキュリティーソリューションを提供する米Nozomi Networks(ノゾミネットワークス)は11月25日、記者説明会を開き、事業戦略を説明した。9月には三菱電機による完全子会社化を発表。三菱電機が持つFA(ファクトリーオートメーション)領域の製品と組み合わせた提案をてこに今後の成長を狙う考えだ。
芦矢悠司 カントリーマネージャー
芦矢悠司・日本担当カントリーマネージャーは「三菱電機による買収は、特に当社の国内事業でメリットが大きいのは間違いない。これまで当社が接点を持てていなかった顧客に対して拡販できるようになる」とし、三菱のFAビジネスで中核を担うPLC(Programmable Logic Controller)製品に対して、ノゾミネットワークスの技術が新たな付加価値をもたらすことに期待を寄せた。
国内ではOTセキュリティーの重要性の認識は進んでいるものの、具体的に取り組めていない企業が多いとみている。国内でシェアを持つ三菱のPLC製品との連携や共同開発を強みに顧客の獲得に弾みを付ける考えで、事業の拡大を念頭に、組織体制を強化していることも紹介した。
一方で、今後も独立した立ち位置で事業を継続する点を強調した。芦矢カントリーマネージャーは「(買収発表後に)当社の販売代理店から無数の問い合わせがあったのは事実だが、説明を重ね、大部分からの理解は得られてきた」と語り、三菱製品以外を扱うパートナーや顧客に加え、FAを展開するベンダーに対しても従来通りの関係性を維持するとした。
10月に実装した新機能も解説した。ネットワークセンサー「Nozomi Guardian」では、ネットワークの論理構成だけではなく、物理構成も可視化できるようにする「物理ネットワークマッピング」を追加した。OTデバイス向けのエンドポイントセキュリティー製品「Nozomi Arc」にマルウェアの検知や隔離、削除ができる機能を追加したことなども公表した。
(大畑直悠)