NTTPCコミュニケーションズは、GPUサーバーの構築ビジネスを重点的に伸ばす。ユーザー企業がLLM(大規模言語モデル)を自社の業務に役立つよう追加学習させる用途でGPUサーバー構築需要が高まっていることに加え、「本番業務にLLMを活用するための推論用GPUサーバーの構築需要の拡大も見込める」(三澤響・AIソリューション事業部長)と見ているからだ。2026年3月期のGPUサーバー関連ビジネスの売上高見込みは、前期比2倍の勢いで伸びており、次期以降も同様の高い成長が期待できるとしている。
三澤 響 事業部長
GPUサーバーの構築ビジネスでは、▽客先設置▽NTTデータなどが手掛けるデータセンター(DC)設置▽親会社のNTTドコモビジネスが展開するコンテナ型DCでの設置ーの主に三つの形態がある。足元ではユーザー企業がLLMを自社業務に最適化させるための追加学習用途でGPUサーバーを構築するケースが多く、「学習用途は大電力を消費することから比較的規模の大きいDC内でGPUサーバーを構築する案件が伸びている」(同)と話す。
LLMの追加学習の次のフェーズでは、実際に業務システムと連動して稼働する推論用のGPUサーバーの構築需要が高まり、「推論用GPUサーバーはユーザー企業に近い場所に分散して設置するケースが増える」(同)と予測している。推論需要のフェーズでは、客先への設置や、多少の空き地があれば設置できるコンテナ型DCの活用を進めるとともに、ネットワークとつないで学習用サーバーや各種クラウドサービスと連携させる需要が本格化すると見ている。
コンテナ型DCを巡っては、提携関係にあるゲットワークスが有する水冷対応のコンテナ型DCの知見や、フィックスターズが開発したソフトウェア・アルゴリズムによる処理高速化の技術を組み合わせた効率的な冷却や運用の検証を進めている。「年内をめどに検証結果を明らかにした上で、26年以降は水冷コンテナ型DCを使った推論用GPUサーバー構築ビジネスに応用していく」(同)方針。コンテナ型DCは、地方の工場敷地内や再生エネルギーを確保しやすい場所に設置しやすいメリットがある。
NTTPCコミュニケーションズは、全国の中堅・中小企業向けネットワーク接続サービスの「Prime ConnectONE」を展開し、ドコモビジネスはAIを活用したネットワーク「AI-Centric ICTプラットフォーム構想」を推し進めている。分散設置する傾向が強まる推論用GPUサーバーの需要拡大に合わせ、自社のネットワーク接続サービスとの連携や、ドコモビジネスのAI構想と歩調を合わせながら「GPUサーバーとネットワークの両方を組み合わせた構築ビジネスを伸ばす」(同)戦略を描く。
(安藤章司)