音声認識ソフトウェア開発のアドバンスト・メディアは11月20日、営業現場で役立つAIツール「AmiVoice SalesAgent(アミボイス・セールスエージェント)」ベータ版を2026年1月下旬に提供し、商用版の販売を3月下旬に始めると発表した。訪問営業やカウンター越しの接客といった営業現場での利用を想定し、会話内容を記録しつつ営業先担当者の感情の動きや関連資料を提示する役割などを担う。
大柳伸也 取締役
SalesAgentは、営業現場の商談内容をリアルタイムでテキストに書き起こし、誰が何を話したかを記録するとともに、生成AIを活用した分析によって商談相手の感情の動きや、商談の雰囲気を定量的に把握する。商談に関する重要事項の確認漏れの指摘や、関連資料の自動提示などを行い「営業効率、営業の質を高めるセールスイネーブルメントを促進するツール」(大柳伸也・取締役執行役員事業本部本部長)として、販売開始から1年間で20社への納入を目指す。
当初の販売チャネルは直販中心とし、アドバンスト・メディアが自らユーザー企業の業務内容に合わせた生成AIの追加学習を行ったり、ユーザー企業の社内にあるデータを検索できるようRAG(検索拡張生成)の仕組みを構築したりする支援を行う。営業現場での話者を特定しやすいよう、指向性マイクの性能検証など「直販によって実践的なノウハウを蓄積する」(密山友規・SDX事業部DX推進グループシニアプリセールスエンジニア)。ノウハウが一定程度蓄積したのち、販売パートナーと知見を共有し、間接販売チャネルを拡充させる。
SalesAgentは24年10月に発売した「AmiVoice SalesBoost」シリーズの一つ。既存製品が営業担当者のスキルアップやカスタマーハラスメント対策などに使われていたのに対して、現場で営業担当者を直接支援する初のエージェント製品となる。
(安藤章司)