Box Japanは12月9日、メディアラウンドテーブルを開催し、導入が拡大している自治体や官公庁など公共領域でのビジネス状況について説明した。2023年からの2年間で導入が4倍強と大きく伸長しており、自治体のネットワーク環境の変化を追い風に、業務改革に使える機能を訴求していることが奏功しているとした。
同社は公共向けの販売を強化しており、23年に80だった「Box」の公共領域の顧客数は25年には350へと拡大した。25年は航空自衛隊が約5万ライセンス、新潟県が7600ライセンスを契約するなど、自治体や官公庁が全庁で導入する事例も続いている。
その背景として、自治体などのネットワーク環境の変化がある。行政専用ネットワークであるLGWANに接続する端末からも、一定の条件を元にクラウドサービスを利用可能にするネットワークモデルが登場し、採用する自治体が増加傾向にある。また、24年10月に自治体向けのガイドラインが改定され、自治体が保有する多くの情報がクラウドサービスに保存できるようになったことも、Boxの利用増につながっているとした。
森 義貴 部長
公共営業部の森義貴・部長は、単純なファイルサーバーの代替ではなく、業務の流れをどうデジタル化するかという文脈で採用されていると説明し、「多くの自治体が挑戦している新しい働き方を定義する動きを支援していきたい」と述べた。
説明会では、25年10月にBoxを全庁で導入した新潟県が、AI機能である「Box AI for Hubs」の活用事例を紹介した。業務ごとに内規などの文書をBoxに格納し、Hubとして職員に公開、自然言語で回答を得られる機能で業務効率化を図っている。過去の議会答弁を格納したHubはニーズが高く、新たな答弁作成の参考などにしているという。
(堀 茜)