アマゾン・ウェブ・サービス・ジャパン(AWSジャパン)は1月27日、記者説明会を開き、ロボット向けの基盤モデルの開発を支援する国内独自の支援策「フィジカルAI開発支援プログラム」の開始を発表した。技術サポートや顧客開拓などで幅広く参画企業・団体を後押しする。白幡晶彦社長は「フィジカルAIは、メカトロニクスで世界をリードしてきた日本企業にとって機会にあふれている分野だ」と話し、参画を呼びかけた。
白幡晶彦 社長
フィジカルAI開発支援プログラムでは、視覚と言語、行動を統合した「Vision-Language-Actionモデル」などのAIモデルを対象に、「AWS」上でのデータ収集・前処理やモデルのトレーニング、シミュレーション、実環境へのデプロイまで一貫して伴走する。2月13日まで参画企業・団体を募り、3月初旬から半年かけて支援する。
具体的な支援内容としては、フィジカルAIに関する専門知識を持つ人材によるAWSのアーキテクチャーのガイダンスやサンプルコードの提供、基盤モデルの開発の助言などが挙げられる。また、モデルのトレーニングなどによるAWS環境の利用料について、総額600万米ドル規模のAWSクレジットを発行する。経済産業省のAI開発支援プログラム「GENIAC」への応募もサポートする。
加えて、開発後の市場展開も推進し、ロボットを導入する企業とのマッチングを行う。ロボットや生成AIに関するコミュニティーを形成し、勉強会などによる知見共有とエンジニア間の交流による情報交換の機会をつくる。白幡社長は「単なるテクノロジープロバイダーではなく、さまざまな橋渡し役となって、成長の伴走者になる。世界で変化が加速する中、このスピード感に負けずに日本でもソリューションをつくりたい」と訴えた。
AWSジャパンではこれまでも「生成AI実用化推進プログラム」などによる基盤モデル開発の支援実績があるほか、ロボティクスの分野でも米Amazon.com(アマゾン・ドット・コム)の物流拠点向けにロボットを開発してきたノウハウがある。白幡社長は「アマゾングループが世界でも最大級のロボットの開発元であり運用者でもある知見を生かして、日本のために、社会のためになるイノベーションを起こしたい」と意気込んだ。
このほか2026年の重点戦略として「信頼性への投資」を重視する姿勢を示した。白幡社長は「(25年は)日本の重要産業がセキュリティーの脅威に多々直面した。当社としては、改めて信頼性への投資の重要性を強調し、お客様のためにできることを説明して支援していきたい」と力を込めた。その上で、AIエージェントに対する監視や評価を可能にする最新の製品機能や、脅威インテリジェンスの活用といったセキュリティー分野での取り組みを説明した。
(大畑直悠)