ソフトバンクは2月2日、コールセンター向けのカスタマーハラスメント(カスハラ)対策ソリューション「SoftVoice」を発表した。感情的、威圧的など心理的負荷がある声色をAIによって変換。オペレーターの負担軽減につなげる。同日から直販やクラウドPBX(構内交換機)ベンダーとのパートナーシップで流通させる。
カスハラ対策ソリューションのデモンストレーションの様子
アプリをPCにインストールするSaaS型で、ソフトフォンを対象にする。通話中に利用画面の「AI変換」をクリックすると、相手の声のトーンや抑揚をリアルタイムで調整し、威圧感を抑えた声色に変換する。150種類の音声パターンからの選択や抑揚の度合いの調整が可能で、通話中の相手の環境音や雑音の軽減する「ノイズ抑制」や通話録音の機能もある。長時間の通話や暴言、脅迫的な表現が続く場合に相手に「警告メッセージ」の音声を流すこともできる。
「SoftVoice」の利用画面
AIは複数の音声基盤モデルを使用。従来のAIモデルでは24kHz程度の音声品質の確保やGPUによる処理負荷が必要だが、SoftVoiceでは6万時間の学習データを蒸留し、スマートフォンや屋外からの受電に対応できる8kHzの品質、CPUによる処理を可能とした。
記者説明会でAIプラットフォーム開発本部SaaS企画準備室の中谷敏之・担当部長は、「激高」した男性の音声でSoftVoiceを使用すると、相手の声から怒りを感じる程度が約3割低くなるという実証結果を示した。「オペレーターの心のすり減らしをケアしたい」と語った。(春菜孝明)
中谷敏之・担当部長