富士通は2月24日、金融機関向けの「Uvance」ビジネスの進捗について報道関係者向けに説明会を開催した。
「Uvance for Finance」ブランドで提供するサービスやオファリングの2025年度の売上高は800億円強となる見込みで、24年度の325億円から大幅に伸長した。金融業界でのシステムのクラウド化が事業拡大を後押しした。
同社は、クラウドを通じて提供する業界横断型のオファリングをUvanceのブランドで展開しており、金融業界では銀行のほか保険、クレジット、リースなどの各業界に向けて、基幹システムからフロント業務、顧客接点領域に至るまで幅広いオファリングを提供している。勘定系システムでは、Amazon Web Services上に構築した「Fujitsu Core Banking xBank(クロスバンク)」が、最初のユーザーであるソニー銀行で25年5月に稼働開始し、金融向けUvanceビジネスの大きな拡大につながった。
26年度は、多くの導入実績のあるリース業界向けシステムや、独SAP Fioneer(エスエーピー・ファイオニア)との提携で提供する保険業界向けシステムに加え、クレジット業界向けにも基幹システムを提供する予定。
また、コンシューマー市場では、旅行商品に保険契約を組み込むといった「エンベデッドファイナンス(組み込み型金融)」が拡大しているが、富士通では、法人市場でも例えば会計システムと融資や保険などの組み合わせが広がると展望。企業向けのエンベデッドファイナンスサービスを提供するためのプラットフォームを今後構築することを明らかにした。
八木 勝 常務
執行役員常務の八木勝・金融ビジネスグループ長は「基幹システムのクラウド化ビジネスは非常に大きい。クラウド上の勘定系システムのトランザクションデータと、それ以外のオープンデータなどを掛け合わせたデータ&AIビジネスが(金融向けUvance事業を)さらに押し上げていく」と述べた。今後、同事業では年率2割の成長を継続し、30年度の売上高は2000億円を目指す考えを示した。
(日高 彰)