シャープが法人向けビジネスの拡大に力を入れている。同社はオフィスソリューションや複合機、PCといったBtoBビジネスを「スマートワークプレイス事業」として展開しており、2025年度第3四半期決算ではこのセグメントの売上高が6160億円となり、全体の4割以上を占めた。2月に開催した法人向けソリューション事業の年次イベント「シャープビジネスフォーラム2026」では、製造や物流、小売りの現場で導入されているソリューションに加え、今後に向けた参考展示も行った。
シャープマーケティング ジャパン
今井綾子 部長
シャープマーケティングジャパンビジネスソリューション社の今井綾子・マーケティング部長は、スマートワークプレイス事業について「家電などを扱うスマートライフ事業を上回る売り上げ」と述べ、この分野が同社全体の事業の中でも柱になっていると強調する。一般オフィス向けサービスだけでなく、流通・小売分野ではディスプレイやPOSシステムも手掛け、ガソリンスタンドの決済端末では約45%のシェアを持つ。さらに、コンビニエンスストアの複合機や教育現場の電子黒板、駐車場システムなど多様なソリューションを提供している。
シャープビジネスフォーラム2026東京会場
幅広い業界への展開は二つの販路に支えられている。一つは全国に広がるサービス拠点網だ。複合機を導入した顧客へのサプライ品供給や配膳ロボットの保守など、社外品を含めて現場での業務が発生するサービスの構築・提供も行う。今井部長は、サイネージ導入店舗から他サービスの提案を依頼された事例を紹介し、「人員を確保して対応している点が評価されている」と手応えを語る。
もう一つの柱は販売パートナーの存在だ。主力商品の一つであるディスプレイなどは、主にリセラー経由で流通。また、スマートワークプレイスの中でも複合機を中心としたスマートソリューションは小規模事業者や中小企業に重点を置いており、販売店経由での展開に力を入れている。パートナーのビジネスを後押しするため、シャープ本体もエンドユーザー向けにBtoB事業へ注力していることをアピールし、ブランド認知の向上に取り組んでいる。
今後の注力領域としては、AI、ロジスティクス、ロボティクスを挙げた。イベント会場のネクストソリューションコーナーでは、生成AIやAIアバターなどAIを活用したソリューションを展示していた。例えば、シャープとDynabookが展開する「生成AI導入支援サービス」は、生成AI利用環境を組み込んだワークステーションを導入する事業モデルで、顧客はオンプレミス環境でローコードによるAI業務アプリ開発が可能となる。物流関連のコーナーでは、同社の液晶パネル工場で培った技術を応用した自動搬送ロボットなども披露した。今井部長は、「法人向けビジネスの割合をさらに高めていきたい」と展望を述べた。
(南雲亮平)