超高速データベース(DB)「ClickHouse」を開発する米ClickHouse(クリックハウス)日本法人は4月末、国内でのビジネスパートナー制度を本格的に開始した。導入支援やコンサルティングを行う「サービスパートナー」と、ライセンス販売の「チャネルパートナー」、自社ソリューションに組み込んでユーザー企業に提供する「テクノロジーパートナー」の三つに分類し、それぞれのビジネス規模に合わせた等級を用意した。
金古 毅 社長
パートナー等級は、登録のみのパートナーから最上位のプライムまでの4段階あり、向こう3年で「登録のみのパートナーも含めて100社の獲得を目指す」と、日本法人の金古毅社長は意欲を示す。
ビジネスパートナーとして賛同を表明している企業は、伊藤忠テクノソリューションズやNTTデータ、NEC、パソナデータ&デザイン、日本ビジネスシステムズ、アイルランドAccenture(アクセンチュア)日本法人など8社で、サービスやチャネル、テクノロジーの各パートナー種別のうち複数の資格を取得し、総合的なSIサービスを提供するケースも想定されている。
国内における先行導入では、金融業の不正検知や通信業の通信トラフィック分析、ECサイトの顧客別レコメンデーションなど、素早いレスポンスが求められる分野で使われることが多い。金古社長は「今後はAI用途で使われるケースが加速度的に増える」と見ており、国内SIerがユーザー企業にAIエージェント活用を提案する際の「最適なDBとして選定してもらえるよう、営業や技術支援といったパートナー支援策を拡充させていく」方針だ。
ClickHouseは、リアルタイム処理を強みとし、データ圧縮技術にも長けているため、ストレージコストを抑えられるメリットがあるDB製品。近年では生成AIが参照するためのDBとしての用途が増えているとし、「AIを効果的に使うために膨大なデータを遅延なくリアルタイムに参照できるDBとして、多くのユーザー企業から重宝されている」(金古社長)。既存の汎用的なDBに比べて圧縮後のデータサイズが数十分の1、速度は数十倍速くなる特性を生かして販売数を伸ばしている。
DB機能に加えて、大規模言語モデル(LLM)の挙動を可視化する可観測性(オブザーバビリティ)も備える。回答のどこに時間がかかっていて、従量課金のLLMであれば、どのあたりに最も多くのトークンが発生し、課金につながっているのかを把握でき、LLMの利用料削減につなげられると見る。提供形態はフルマネージド版やオンプレミス版、OSS版などで、直近ではAI特需の追い風もあり、全世界での年間経常収益(ARR)は前年比約150%増で伸び、有償版の納入社数は3000社余り。「国内ではパートナー経由での販売を軸に納入件数を伸ばしていきたい」(金古社長)と話す。
(安藤章司)