米Broadcom(ブロードコム)の仮想化ソリューション「VMware」を国内で展開するヴイエムウェアは5月20日、統合ITインフラ基盤の最新版「VMware Cloud Foundation(VCF)9.1」を発表した。コスト削減や技術者不足への対応、セキュリティーの各課題に対応できるようにアップデートした。山内光・カントリーマネージャは「パートナーとの関係をより深いものとしながら拡販したい」と話した。
(大畑直悠)
山内 光 カントリーマネージャ
コスト削減ではNVMeストレージを用いるメモリー階層化機能を強化した。DRAMとNVMeの2階層を用意し、アクセス頻度に応じてデータを振り分けることで、メモリー使用量を最適化し、サーバーの総所有コスト(TCO)を抑制できるとした。また、ストレージ仮想化機能「vSAN」では重複データの削除やデータ圧縮機能も強化した。
セキュリティー面ではダウンタイムなしでパッチを適用する機能を提供する。ランサムウェア攻撃への対策として、オンプレミス環境でのリカバリー機能を加えた。エアギャップで隔離された「クリーンルーム」を設定し、バックアップデータの適切な復旧ポイントを検証できる。また、米CrowdStrike(クラウドストライク)のEDR(Endpoint Detection and Response)製品との連携によって、安全性を検査できる。
このほか、AI向けのオブザーバビリティー(可観測性)機能や「Kubernetes」の運用を効率化する機能などを追加し、より少ない人数でITインフラを運用できるようにした。
ビジネスの近況については、国内顧客のITインフラのモダナイズ需要に順調に応えているとし、山内カントリーマネージャは「多岐にわたる業界でVCFの有効性は理解されている」と強調した。顧客事例として、日本気象協会ではITリソース不足やランサムウェア攻撃への対策としてVCFを導入し、パブリッククラウドと比べてコストを50%削減した。また、日本中央競馬会では8000台の仮想マシン(VM)が稼働する25の基幹システムをVCFに刷新。移行の際には2000台のVMを一晩で移行するなど、スムーズな移行を実現した。ネットワークセキュリティー機能「vDefend」などを活用し、マイクロセグメンテーションによる防御を実装してセキュリティーを高めた。
パートナー戦略についても説明した。VCFはITインフラの統合環境を提供することでプライベートクラウドの構築や運用などを一元的に担える特徴から、顧客を支援するプロジェクトは大規模になることが想定される。山内カントリーマネージャは「VCFを継続的に最適化し、顧客を支援していく実行力のあるパートナーにフォーカスして投資している。VCFによる運用の一元化や自動化は、エンドユーザーだけではなくSIerにとっても技術者不足を補うことにつながる」と訴えた。