Wasabi Technologies Japanは5月22日、クラウドストレージ市場に関する年次調査「2026年Wasabi Global Cloud Storage Index」の日本版を発表した。AIの普及を背景に、企業のIT投資がソフトウェア中心からデータやストレージなどのインフラへとシフトしている実態が浮き彫りとなった。
調査は世界のIT意思決定者1700人(うち日本250人)を対象に実施した。日本企業の64%が今後1年間でAIプロジェクト向けのインフラ予算を増額すると回答し、減額予定はゼロだった。またAI関連予算の約3分の2がデータやストレージ、コンピューティングに配分されており、従来と比べ、インフラ重視の傾向が強まっている。
アンドリュー・スミス ディレクター
記者説明会で、米Wasabi Technologies(ワサビテクノロジーズ)のアンドリュー・スミス・戦略および市場インテリジェンス担当ディレクターは「インフラがAIプロジェクト成功のかぎ」と指摘し、データアクセスやAPIなどの運用費がコストを押し上げ、クラウドストレージの料金構造が企業の課題になっているとの認識を示した。調査でも、データ転送料やAPI利用料などの運用費が総支出の約半分を占めており、2025年には日本企業の49%がクラウドストレージ費用で予算超過を経験したと回答した。
AIプロジェクトの収益性については、31%の企業が現時点で赤字と回答した。スミス・ディレクターは、この割合は今後1年で15%程度まで低下するとの見方を示し、長期的にはAI投資の収益性が厳しく問われるようになるとした。
また、クラウドデータのセキュリティーに関しては、日本企業の42%がサイバー攻撃によってクラウド上のデータにアクセスできなくなった経験があると回答した。一方で46%は、利用しているクラウドベンダーが必要なセキュリティー対策機能を十分に提供していないと認識している。