NECは8月6日、都内で記者会見を開き、提供開始から1年が経過したマーケティングソリューション「BestMove」について、大手製造・流通・小売企業などで活用が拡大しているとして、導入事例を発表した。
BestMoveは、独自の「消費者属性拡張技術」を核としたAIサービス。実購買データとアンケートによる意識データを掛け合わせ、顧客の人格をデジタル上で再現する「AIペルソナ」を構築する点が特徴だ。従来は多大な時間と費用を要していた消費者調査をAIペルソナへのアンケートやインタビューで代替し、高解像度な顧客インサイトを導き出すことができる。AIエージェントや会話解析などの技術と連携し、店舗やWebでの接点から得られる生の声をAIペルソナの精度向上につなげることで、マーケティング施策や需給予測、データドリブン経営への変革を促す役割も担う。
味の素冷凍食品の新規事業開発における導入事例では、従来、1テーマの市場調査に最低150万円の費用と2~3カ月の期間を要していたが、BestMoveの活用により調査コストをほぼBestMoveの利用料のみに抑え、意思決定までの期間を最短1週間に短縮した。AIペルソナを活用したAIアンケート・インタビューについては、定性の回答が以前の調査の回答に近しい結果が出たことから信頼感を持てたという。このほか、幅広い業種で実績が出始めており、現在、大手企業を中心に20社以上が導入している。
小図子 武弘 ディレクター
今後は、企業の自社会員データを活用した分析機能の強化や、広告・過去施策データなどを統合した「マーケティングOS」への進化を図る。パートナー企業との連携を通じて中堅・中小企業向けへの展開も視野に入れており、NECビジネスイノベーション統括部の小図子武弘・ディレクターは、2030年までに累計300社への導入を目指す方針を示した。
(南雲亮平)