NTTドコモビジネスと東京電力パワーグリッド(東電PG)は、最新鋭のGPUサーバーに対応した液冷式コンテナ型データセンター(DC)を複数設置・運営する「コンテナDCパーク」の展開に乗り出す。第1弾として東京都大田区に整備し、2027年秋のサービス開始を予定する。生成AIの普及やデジタル化の進展によってDC需要が拡大している一方で、建屋型DCは建設期間の長期化やコストの高騰、供給電力の逼迫といった課題があり、特に都市部での増設は難しくなっている。比較的短期間で構築でき、最新GPUの超高発熱にも対応できる液冷コンテナDCを東京23区や大阪に分散配置し、DC不足の解消を目指す考えだ。
(藤岡 堯)
NTTドコモビジネスの横浜第1データセンター内にある見学用コンテナDC。
同様の設備がコンテナDCパークに設置される
ドコモビジネスのネットワーク基盤や液冷DCの構築運用に関する知見と、東電PGの電力供給基盤や設備・土地などのアセット、電力設備技術・ノウハウを生かした取り組みとなる。大田区のパークは20フィートコンテナを最大8基設置できる。全体の受電容量は2メガワットで、このうちユーザーが利用できるIT負荷分は1.4メガワットを見込む。「IOWN」のオールフォトニクスネットワークによる分散型コンピューティング環境の導入にも取り組む。8月27日に利用申し込みの受け付けを開始した。提供形態はコロケーションが基本で、ユーザーがサーバーを持ち込み、ドコモビジネスと東電PGが冷却設備と電力を効率的に運用する仕組みを提供する。
NTTドコモビジネス
松林 修 部門長
ドコモビジネスは大田区を皮切りに、23区内でコンテナDCパークを3~4カ所開発する意向を示しており、大阪・近畿圏でも整備する方針だ。ドコモビジネスは、関西圏での整備について、電気事業者に限らず、電力を確保できるさまざまな事業者との連携を視野に入れる。27日の会見で、プラットフォームサービス本部クラウド&ネットワークサービス部第二サービス部門の松林修・部門長は「(大田区のパークと)同等かそれ以上の規模でもまだまだ需要がある」と述べた。
東京電力パワーグリッド
杉山寛克 室長
近年のAI向けサーバーは高性能化に伴って発熱量が急激に増加しており、より効果的に冷却できる液冷式を利用できるDCの建設が急がれる。ただ、高発熱サーバーに対応した建屋型DCは29年ごろまで不足するとみられ、両社はコンテナDCの分散配置によってユーザーのニーズを取り込む狙いだ。東電PGの杉山寛克・グループ事業推進室室長は「ワット・ビット連携の実現や産業の発展、地方創生などのニーズに応えられる、新たな価値創造を目指す」と語った。
ドコモビジネスはコンテナDCパークのビジネスを含め、コンテナDC事業全体で32年度に売上高100億円を目指している。