NTTドコモビジネスは7月6日、全国に分散配置されたGPUリソースを「IOWN APN」(All-Photonics Network)で統合し、一体的に利用できる全国広域分散GPU実証環境「GPU over APN Testbed」の提供を開始した。AIインフラの分散化ニーズに応える取り組みで、共同PoCを実施する企業・組織を募集する。2027年度末までに20件以上の実証誘致を目指し、分散GPU活用のユースケース創出と商用化への磨き上げを進める考えだ。
実証環境は、IOWN APNによる100Gbps級の低遅延・高速大容量通信を活用して、全国8拠点に分散配置したGPUを統合する。分散AI学習・推論、RDMAによる拠点間の大容量データ転送、スケジューリング、ユーザーが持ち込んだワークロードの検証などに対応するほか、10月にもKubernetes環境が導入される予定で、拠点をまたぐGPUクラスタも構築できるようになる。
共同PoCに関しては、分散利用のユースケース整理、実証環境上での検証、本格導入の検討・意思決定の3ステップを想定。エンドユーザーとなる企業や研究機関のほか、SIerをはじめとするIT事業者が自社顧客向けのサービス展開を見据えて参加することも可能だ。
張 暁晶 エバンジェリスト
同日の説明会で、イノベーションセンターIOWN推進室担当部長の張暁晶・エバンジェリストは、電力密度や冷却能力、床荷重といった制約により、単一拠点でのGPUインフラの増強が難しくなっている上、事業継続やデータ主権などの観点から分散構成へのニーズが高まっており、「分散が新しいスタンダードに向かっている」と指摘。共同PoCに向け「ユースケースやアプリケーション、ワークロードをぜひ持ち込んでいただき、一緒にナレッジをつくりたい」と呼び掛けた。
(藤岡 堯)