日立製作所は10月21日、記者説明会を開き、新型のGPU冷却用コールドプレートを開発したと発表した。独自の「U字トンネル流路構造」を採用したことで従来製品より効率的な排熱が可能で、データセンター(DC)内の電力消費量を削減できるとした。
U字トンネル流路構造では、中を流れる冷却水がGPU近辺に垂直方向に流れ込み、熱を回収した後、Uターンして出口へと向かう点が特徴だ。従来製品ではGPU上を一方向に水平に流す構造だったことから、熱回収前後の冷却液が混ざって冷却効果が下がったり、流路が長くなることで冷却液を流すための動力が増加したりする課題があった。
新型では、U字の部分で熱回収後の冷却液が分離されるほか、経路が短く微細なU字トンネル流路を数千本並列配置した。限られたコールドプレートサイズの中でも流路面積を確保しつつ、冷却液を流れやすくしながら、高い冷却性能を確保できるとした。
45度程度の冷却液を利用する仕組みを持つ点も特徴だ。冷却液の温度が高いほうが外気との温度差で効率的な放熱が可能になることから、チラーなどの冷却設備で消費する電力を抑えられる。同社の試算では従来型のコールドプレートと比較した場合、必要な冷却電力を30%削減できるという。
中津欣也 主管研究長
同社では新型コールドプレートの事業化に向けた取り組みを進めており、研究開発グループSustainability Innovation R&Dグリーン&コネクティブイノベーションセンタの中津欣也・主管研究長は「市場参入のタイミングは模索中ではあるが、実機搭載による検証もしながら可能な限り早期に事業として展開したい」と意気込んだ。また、DC設備の最適化を支援するソリューション「HMAX Data Center」において、冷却支援の中核技術として活用する考えも示した。
(大畑直悠)