先ごろある全国紙に、中国と台湾の電脳(コンピュータ)用語が紹介されていた。ご記憶の方も多いだろうが、「インターネット」を台湾では「国際互聯網」、中国では、「国際網際網路」と言うようだ。

 そのほか、一部を続けると次のようだ。(左が日本、真ん中が台湾、右が中国)

 アットマーク 圏a 小老鼠
 eメール 電子郵件 伊媚児
 ウイルス退治 殺毒 掃毒
 ネットカフェ 網●(口へんに巴) 網珈
 ホームページ 主頁 首頁

 読者は、3つの系列のどれがお好みだろうか。あるいは、どの造語を選好されるだろうか。視点小は断然、台湾系がいい。次が中国系で片仮名はむしずが走る。というのも、学生にはかねがね以下の点を強調してきたからだ。

 実用文や伝達文は、「国語」による起承転結ではなく、「日本語」による序論(主問)、本論(論理展開)、結論(主問への答え)のような3段階構成で、対話するように書け。

 実用文・伝達文の原理は、重点先行(トップダウン)型の文段(いわゆる段落でなく、パラグラフ)による構成であり、文段間の対話にある。

 そして、時枝誠記流の「詞」(名詞)と「辞」(テニヲハ)の顰(ひそ)みでいえば、

 ①定義でき、中身のある「詞」を使え。死語は避けよ。
 ②「テニヲハ」は禁欲的に使え。
 ③片仮名の乱用を避けよ。

という3原則を課す。だから、コンピュータ業界に跋扈する片仮名表記は断然反対なのだ。

 「酒鬼薔薇」ではないが、若い暴走族の間では、次のような日本語が流行っているという。神出麗羅(シンデレラ)、夜露死苦(よろしく)、愛裸舞優(あいらぶゆう)…。

 そこで提案だが、台湾や中国よりもっと気の効いた造語(日本語)を作る試行を始めようではないか。

 センスのある一部計算機科学者の間では、既に1970年代から、コンピュータを計算機、ハードウェアを硬件、ソフトウェアを軟件、プログラムを算譜などと称していたのだった。

 当時はまだローマ字論者や英語公用論者がまだ跳梁していたから、懐かしい造語が廃れてしまったが、いまや21世紀だ。