大航海時代

<大航海時代>第22篇●新しき勇者たちへ 第41話 世代交替

2002/07/15 16:18

週刊BCN 2002年07月15日vol.949掲載

メガチップス 取締役

 熊本の島田美術館で宮本武蔵の自画像を眺めながら、しみじみ思ったのは、「大変でござんしたなぁ」ということであった。

 だってそうであろう。武蔵は、武術をもって身を立てたのだ。手っ取り早く言えば、「チャンバラ」が本業だ。負けたら終わり。日本中の腕自慢どもが、打倒武蔵を狙っているのだ。武蔵の名が上がるにつれて、“我こそは”という連中が次々と現れてくる。これを負かさないといけない。

 一方、歳をとるにつれて、かつての若かりし時のように体は動かなくなっていく。この事情は西部劇のガンマンの生涯とよく似ている。ガンマンとして有名になるとともに、危険は急激に増大していく。多くのガンマンが最後は悲惨な死を遂げることになる。私の知る限り、ガンマンで有終の美を飾ったのは、OK牧場の決闘で有名なワイアット・アープくりゃあなものである。

 この点、ほかの職業というのは「楽」なものであるな。命のやりとりではなく品物やアイデアのやり取りだから、経営も政治も気楽なもんだ。もっとも、松下幸之助はこのあたりを戒めて、「経営もまた真剣勝負だ」といつも言っていた。

 ただ、彼も命をとれ、とまでは言わなかった。が、そのかわり、「経営に失敗した経営者は罰すべきだ」と言った。たくさんの人と金を使わしてもらって、利益を上げられない経営者というのは監獄に送るべきだ、と言うのだ。

 まぁ、このくらいの覚悟で物事にあたれば、大概のことは上手くいくということなのであろう。

 それにしても日本の現状はどうだ。監獄はたちまち一杯になってしまうだろう。そんな連中が監獄どころか、ノウハウとして座っているのが日本の現状ではないか。

 松下幸之助が生きていたら激怒することは間違いない。世代交替が急がれる所以だ。そのためにも若人の奮起を望みたい。(京都・霊山神社)
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