前回まで、IT投資減税について計15回にわたって説明してきたが、減税規模において同額の約6000億円といわれる研究開発減税も、ソフトウェア業界にとっては重要な税制である。そこで今後4回にわたり、この研究開発減税制度について説明することにしよう。(日本パーソナルコンピュータソフトウェア協会(JPSA) 税務委員会委員長 税理士 根岸邦彦(監修))

 まず、制度の概要だが、これまで「試験研究費の額が増加した場合」に税額控除が受けられる増加試験研究費の特別控除の制度があったが、今回はこれに加えて、毎年の試験研究費の支出そのものを対象とした減税制度が設けられた。

 その年度の法人税額の20%を限度として、税額控除を受けられるのであるが、前4年間の平均売上高に対する当期の試験研究費の比率(試験研究費割合という)に応じて、以下の2通りの区分となる。

 (1)試験研究費割合が100分の10以上である場合は、100分の10、(2)試験研究費割合が100分の10未満では、100分の8+試験研究費割合×0.2。

 この制度は「恒久的制度」であるが、3年間の時限措置として100分の2の上乗せが行われる。同時に資本金1億円以下の法人については、「中小企業基盤強化税制」が改正され、同様の試験研究費の税額控除の割合が12%に増加され、これも3年間はさらに3%の上乗せが行われる。

 以上のことから、一般企業の場合で試験研究費10%以上であれば2005年までは12%、05年以降は10%が認められる。試験研究費が10%未満であれば、8%+研究費の0.2%になり、05年以降であっても変わらない。

 また、中小企業の場合では試験研究費の額に限らず、中小企業はすべて05年までは15%、05年以降は12%となる。

 この控除額は当期の法人税額の20%を限度とするが、限度を超えた分については1年間繰り越すことができる。

 適用については03年1月1日以後に開始する事業年度で、かつ03年4月1日以後に終了する事業年度について適用される。

 このように、控除割合については色々あるものの、本年以降「試験研究費として支出した額の10%以上が税額控除される」ということになったのである。

 では、「試験研究」を行うと税金が安くなることは良しとして、この制度とソフトウェア企業の関係はどのようなものであろうか。ソフトウェア企業と同制度の関連について考えてみる。

 「試験研究」とは税法の用語であり、会計基準では「研究開発」と呼ばれる(研究開発等に係る会計基準)。その内容はおおむねイコールであるが、減税の対象となる費用の範囲はその一部である、という関係になる。

 一般の中小企業にとっては通常、「研究開発費」はあまり意識されないが、特にパッケージソフトウェア企業に関しては重大な意味を持つ制度となる。

 それはパッケージソフトウェア開発費の一部が研究開発費とされるからである。

 次回以降はこの問題を中心に解説する。