未来を紡ぐ 挑戦するソフト開発企業 

<未来を紡ぐ 挑戦するソフト開発企業>48.ビービーエムエフ

2005/10/17 20:43

週刊BCN 2005年10月17日vol.1109掲載

中国・南京市でソフト開発

 携帯電話向けアプリケーション開発のITベンチャー、ビービーエムエフ(Bbmf、ハン・リエン社長)は、中国・南京市に開発拠点を持ち、中国人ソフト技術者を活用することで開発コスト削減を図っている。

 Bbmfはゲームを中心に、一般消費者向けのモバイルアプリケーションソフト開発・販売を手がける。ゲームのほか、着メロ、携帯電話で閲覧可能な漫画などのコンテンツも揃える。パソコンやゲーム専用機でしか利用できないコンテンツやアナログコンテンツを携帯電話でも閲覧・利用できように変換。携帯電話に配信する。現在の利用者数は約30万人となった。

 第3世代(3G)携帯電話の普及など、日本は世界各国に比べはるかに携帯電話向けアプリケーションソフト市場が拡大している。Bbmfは、本社を米ネバダ州に置いているが、米国市場よりも日本市場を優先。米本社のトップを兼務するリエン社長は日本法人に常駐し、資金、人員の大半も日本市場に集中している。一般消費者に提供する携帯電話向けのアプリケーションソフト市場は、日本が世界の約60%を占めているという。

 当面の目標として、「現在の利用者数約30万人を1年以内に100万人にする」(リエン社長)計画。そのために重視しているのがタイトル数の拡大だ。豊富なラインアップを増やすことで、新規顧客を開拓していく戦略を進めており、現在月に20タイトルを新たに開発している。

 その開発を支えるのが中国人ソフト技術者だ。中国・南京市に開発拠点を設置し、中国人技術者を約200人抱えている。「日本の技術者の5%のコストで開発することができる」とリエン社長は自信を示す。

 携帯電話向けアプリケーションは、パソコン向けソフト開発に比べ高度な知識を必要とせず、独自の開発マニュアルもあるため、それほど労働単価の高い技術者は必要ないという。さらに、上海や北京に比べ、南京市のソフト技術者の単価が低いことも理由にある。南京の開発センターには日本人スタッフをプロジェクトマネージャーとして20-30人常駐させ、日本人が開発した場合と品質が劣らないように品質管理を徹底している。

 来年には携帯電話向けソフトだけでなく、オンラインゲームを第1弾としてパソコンソフト事業にも参入する計画。携帯電話向けの検索エンジンを作ることも検討している。そのため、南京市にある開発拠点の人員を現在の2倍にあたる400人に増やし、開発体制をさらに強化していく方針だ。(木村剛士)
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