大遊泳時代

<大遊泳時代>第91回 情報セキュリティテストよりパワハラ、セクハラテストを!!

2005/10/31 16:18

週刊BCN 2005年10月31日vol.1111掲載

松下電器産業 顧問 前川洋一郎

 もう定年だからと断っていたが、いやいや期限内だといって、退職1日前に情報セキュリティテストを受けさせられた。

 デジタルの世界だから、受けた・受けてない、ゼロ・イチの杓子定規なのが良いのかもしれない。

 その内容といえば、ITだ、パソコンだといっても人の道、テキストを勉強する前に社会人の常識そのものである。

 入社した頃、職場の上司、先輩のOLから、「電車の中で大きな声で会社のことを言うな」、「タバコの火で書類を焦がすな」、「お客さんがみえたら、事務所に入って来られる前に玄関に飛んで行け」、「辞めたOBが聞いてきてもうかつに答えるな」、「事故は交通事故でも紛失でも詐欺でも何でも、即、上司に言うのがいいよ」、「帰る前に机の上のものは引出しと椅子の上に」、「会社の電話で株の取引などするなよ」、「会社のためだからといって自分の車を使ってはいけないよ」など──。

 ツールをパソコンや情報と置き換えれば、そのまま情報セキュリティテストの内容と一緒である。変にカタカナ、ICTぶるからいけない。会社勤め、団体生活の基本ルール、マナーである。

 ということは、最近はいかに「しつけ」ができてないというか、入社時(途中入社も含む)にちゃんと教育訓練、OJTができてないということである。

 社会の風潮として、親父の小言は嫌われる。お姉さんぶっても何の得にもならない──とお互い年寄り、先輩の責任に価値を認めないから、こんなテストが必要となってくるし、最初の1回で100点を取れないというより、毎日のごとく事故が発生するのであろう。

 ねぇワトソン君、「それより、セクハラテストとか、パワハラテストも今の上司には必要では?」。「いやー、これらは躾ではなくて、DNAの要素が大きいから、テストの効果ないですよ!」。
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