プリンタなどOA機器を販売する事務機ディーラーに再編・淘汰の時代へ突入する兆しが出てきた。リコーが8月27日、米国の事務機大手ディーラーを買収すると発表するなど、ここ1-2年で相次ぐ国内外のプリンタメーカーによる世界的なディーラー買収劇はその兆候の一端で、国内ディーラーは「見過ごせない出来事」と捉えるべきだろう。

 リコーの近藤史朗社長は最近、こう漏らすことが多い。「世界的に直売(ちょくばい)傾向が強まる」。直売とは同社独特の言い回しのようだが、直接販売(直販)を指す。プリンタと周辺システムを含めた提案・サポートを求める世界の企業に対し、国内子会社のリコー販売などに匹敵するサービス網を自前で築くことは不可能。手っ取り早く、地場の大手事務機ディーラーを獲得すれば短期に「エリア網」が構築でき、サービス網・体制を整えることができる。

 今回、リコーが「提携」ではなく「買収」を実施した理由について、「複数メーカーの製品を売っていた買収先に、自社機だけに入れ替えさせて目先の利益を得る」といった報道が目に付く。だが、本質はもう少し別なところにある。近藤社長はこうも述べている。「プリンタの新機種を顧客に紹介しても簡単に売れる時代ではなくなった。国内では大塚商会的ソリューション提案で販売するベンダーが生き残る」と、「箱売り」商売が縮小傾向になることを暗に認める。

 リコーだけでなく、国内外のプリンタメーカーによる買収劇を見るポイントはここにある。リコーの今回の買収劇は、「自慢のリコー・サービス体制」と、買収先のIKON社が持っている「MPS」というプリンタ回りを遠隔で一括サポートするノウハウを融合させることを根本で重要視したとみられる。一度プリンタを導入してもリース切れに際して、安価な他社機に入れ替わってしまうことを防ぐ効果があり、市場が縮小傾向にあるプリンタ業界の「生命線」となり得る。

 ここ1-2年、国内大手プリンタメーカーと代理店契約を交わしている中小ディーラーの嘆きの声をよく耳にするようになった。「突然、メーカーから契約を打ち切られた」というのだ。実際、プリンタを単体で「売るだけ」の中小ディーラーを収斂する動きが強まっているのだ。メーカーは「提案型のディーラー」への変革を積極的に支援する動きをみせている。その裏返しとして、ディーラー自身が変わらなければ、生き残れない時代がやってきている。