変革

東芝ITサービス 石橋英次 社長

　頻繁に使われる言葉かもしれないが、「変革」を2010年のキーワードに選びたい。中長期的にみて、当社自身が変わらなければならない時期にきていると感じているからだ。

　08年後半から始まった経済不況を乗り切るためにも変革は必要だが、保守サービス中心のビジネスモデルを変えていかなければならないと思っている。保守サービスは今後成長は見込めず、これまでとは異なる分野で成長のエンジンをつくらなければならない。私はそれを運用サービスに定めている。顧客の情報システムを遠隔地から監視し、場合によってはオンサイトでサポートするサービスだ。

　09年度（10年3月期）上期は経済不況の影響を受けて、08年度上期と比較してほぼ横ばいだったが、中長期的にはニーズが強い分野。将来的にみて、当社の中心ビジネスになるとみている。そのために、着々と準備を進めてきた。

　全CE（カスタマ・エンジニア）に対して、運用サービス提供に必要なスキルを学ばせ、当社独自の運用関連資格を取得させるように指示した。運用・監視サービスのための専用施設もつくった。仮想化に特化した運用サービスを09年10月にメニュー化することもでき、予想以上に引き合いをもらっている。

　短期的な数字（業績）を追い求めるだけでなく、長期的な将来を見越して成長戦略を描く年、そのための準備を進める年。それが2010年だと思っている。