TDCソフトウェアエンジニアリング(TDCソフト、谷上俊二社長)は、携帯電話などモバイルを使った業務システムに強いSIerである。モバイル系の主力商材の一つである「MoobizSync(ムービズシンク)」は、クラウド型CRM「Salesforce」を、NTTドコモやソフトバンクモバイルの携帯電話から利用できるサービス。企業の業務システムのモバイル対応サービスに、他社に先駆けて取り組んできたこともあり、「顧客からの引き合いは非常に強い」(谷上社長)と、手応えを感じている。

 販売に当たっては、自社の営業ルートによる直販に加え、有力な販売パートナーと密接に連携。もともとソフト開発をメインとしてきたTDCソフトは、販売力が強くない。「MoobizSync」は、1ユーザーあたりの月額ライセンス料金が約1500円と安価なASPサービスで、その分、まとまった販売ボリュームが求められる。強力な販売網をもつパートナーは欠かせない存在だ。直近では、キヤノンマーケティングジャパンやNTTコミュニケーションズなど数社が販売パートナーとして参加。キヤノンMJとNTTコムは、パートナーであるとともに「MoobizSync」のユーザーで、自社で活用した実績を踏まえて顧客企業に販売している。

 受託ソフト開発の需要が縮小傾向にあることから、TDCソフトでは独自のソフト・サービス商材を軸としたソリューションビジネスの拡大に注力。今年度上期(2009年4~9月期)、受注環境が厳しいなかでも、独自商材の主要部分を占めるモバイル系サービスが堅調に推移。この分野での落ち込みはなかった。

 今後、主力のモバイル系サービスをiPhoneなど売れ筋機種に積極的に対応させるなどして、独自ソリューションの売り上げを「向こう3年で倍増させる」(谷上社長)と、意欲を示す。独自商材をきっかけとして、より商談規模の大きいSI(システム構築)案件につながるケースも出てきており、パートナーと二人三脚で事業拡大を進める。(安藤章司)