米国で、電子ブックリーダーがブレイクしている。ソニーが2006年に端末を発売したのをきっかけに立ち上がり、07年11月にアマゾンがKindle(キンドル)を発売して以後、急激に成長してきた。調査会社Forrester Reseachによれば、09年のリーダーの販売台数は300万台。10年には600万台を超えるという。

 市場をリードするアマゾンでは、昨年のクリスマス当日、初めて紙の書籍の販売数を超えた。首位のキンドルを2位で追うソニーは09年年末、前年比で4倍も販売量が多かったという。ベストバイ、ウォールマート、ターゲットなどの大手量販店で販売するのが、アマゾンのキンドルと違う戦略だ。09年の3000店が、10年は1万店に増える。こんなに成長する市場とあって、アマゾンとソニーの二強を追い、続々と参入が出現している。

 なぜこれほど流行るのか。基本的なメリットは、書店に足を運ばなくても、ネットで好きな時に書籍を購入でき、大量の書籍を収めて持ち運べるということ。ニューヨークタイムズのベストセラーの9割が、オンラインで即座に購入できるのだ。発売時期も紙の本と同時。価格は少し安い。ソニーは20万冊、キンドルは40万冊在庫している。ソニーでは、さらにグーグルの著作権フリーの100万冊がダウンロードできる。買い切りだから、コンテンツを所有できる。新聞や雑誌も購読できる。しかも、新聞発行後やマーケットが閉じた後にアップデートされた記事を読めるサービスもある。

 では、米国でのブレイクのように、日本でも人気を博すのか。日本では04年にソニーが、松下電器(当時)が発売したが、売れずに、どちらも08年までに撤退した。失敗の理由は、(1)価格が高い、(2)出版社が新刊や人気本を出さない、(3)独自規格でコンテンツ数が増えない、(4)端末が重くて大きい、(5)レンタル制で、ユーザーが所有できない……だった。

 しかし、日本はすでに電子ブック大国だ。市場規模は約500億円。米国との違いはダウンロードする相手が、専用のブックリーダーではなく携帯電話という点だ。米国での流行の理由と、日本での失敗の理由は、鏡のように対照的だ。米国の成功は日本の失敗の教訓を生かしたからだともいえる。新刊、話題刊が紙と同時に配信され、価格が安く、端末がカラー、動画に対応し、読みやすく、価格も安く、どの配信サービスへも自由にアクセスできる……が、日本での電子ブックリーダー成功の条件だ。