SMBのシステム改革はこの手で! 活躍する「企業内ITC」の素顔

<活躍する「企業内ITC」の素顔>富士ゼロックス(上) 随一のITC人員、営業力強化に活用

2010/08/19 20:29

週刊BCN 2010年08月09日vol.1345掲載

宮崎晋一・営業部長
 「企業内ITコーディネータ(ITC)」を抱える人数では随一を誇る富士ゼロックス(山本忠人社長)。本体と直系の販売会社34社を含めたITC資格の累計取得者は、2009年末段階で400人以上に達する。このうち、未更新者を除いても、順次、資格取得者が増えているため、現有資格者は400人以上と、全体では減っていない。ITベンダーのなかで、最もITCの活動を重視し、社内にその考え方が根づいているといっても過言ではない。

 同社がITCを増員させてきたのは、04年に遡る。当時、プリンタ業界が転換期に差し掛かり、プリンタ機器やサプライを販売する、いわゆる「箱売り」だけでは、顧客満足を得られない状況になりつつあった。

 このため、同社の営業など顧客との接点がある担当者には、「箱売り」から脱却し「ソリューション・サービス販売」のノウハウをもつことが求められつつあった。

 そこで、同年には「営業力強化推進室」を立ち上げ、具体的な推進方法を模索するなかでITCの「プロセスガイドライン」に着眼し、全体的な営業力を身につける人材育成体制を築くため、いまも改善を続けている。

 実は、この3年前の01年から、「X's-MAP」と呼ぶ、営業スタイルの均一化を目的とした「営業メソッド」を構築する作業が進んでいた。当時、営業力強化推進室を担当し、ITC取得者の増員を旗振り役を演じた宮崎晋一・ソリューション・サービス営業本部ビジネスパートナー営業部長によれば、「(X's-MAPを)もう一段、しっかりと裏づけするために、ITCの仕組みを取り入れるべきだと判断した」という。

 宮崎部長は、他のITベンダー担当者と一緒にITコーディネータ制度のカリキュラム作成に深く関与していた。自社の「X's-MAP」との整合性があり、内容的にも網羅性があったことから、早期に自社へ「ソリューション・サービス販売」を根付かせる上で、「これしかない」(同)と考えついた。

 「X's-MAP」は、「X=ゼロックス」「S=ストラテジ(戦略)」「M=マーケット・マネジメント」「A=アカウント・マネジメント」「P=プロセス・マネジメント」を組み合わせた造語である。

 プリンタを販売するうえで、より上流工程から入り、顧客の要望を聞く「ソリューション・サービス提供」することができることを全社で共通化することを目指したものだ。これにITCの「プロセスガイドライン」などを融合させることで、同社の営業スキームが「見える化」できたという。

 ITCの取得者を増やすため、同社では受講料金などをキャッシュバックする制度にしていた。ただ現在は、全社員の1%を占めるまでITCの有資格者を増やすことができたので、同制度を利用できるには「ハードルを高くしている」(宮崎部長)という。自社の業務知識に長け、広範囲に営業経験をもつ社員に開放している。すでに同社のITC活動は、直系の販売会社が現場で役立てるまでに拡大し、営業実績にも結びついている。
  • 1

関連記事

<特別企画>富士ゼロックス 小型MFPで中小領域を本格攻略 年間4万台販売で首位へ

<「IT経営」コーディネート 企業活性化にITCの妙手>54.ITコーディネータ協会