ITコーディネータ(ITC)茨城の鹿子幡庸雄理事長と葛貫壮四郎理事は、講師を務めた中小企業金融公庫のセミナーで水戸プリンスホテルを経営するプリンス(杉山順代表取締役)の杉山勉常務取締役と面識をもった。後日、杉山常務と水戸プリンスホテルの従業員を交えたディスカッションの場を設け、強みと弱みの洗い出しに取りかかった。

 強みとして挙げられたのは、手づくりバイキングの朝食と大浴場のほか、インターネットアクセス環境、大型自動車も駐車できる駐車場、水戸駅から徒歩数分というアクセスの良さの5点。杉山常務は、これらの情報をホームページ(HP)で広く一般の人たちに伝えているつもりでいたが、十分に訴求できていなかった。

 「外部の声を取り入れたことでお客様に当ホテルの強みが伝わっていなかったことがわかった。目から鱗が落ちる思いだった」と杉山常務。例えば、「全客室でLANに接続できることなど、HPを見た人は当然理解しているはずと思っていた」。

 宿泊客は、出張などビジネス用途が圧倒的に多く、ゴールデンウィークなど大型連休にはファミリー層が増える傾向がある。明確にビジネスとファミリー層を捉えた宿泊プランやサービスを打ち出すことで宿泊客満足度の向上を目指した。小学6年生までの子供は、添い寝であれば宿泊料金を無料にした。

 HP制作を請け負ったのは、どっとこむいばらきの会員でもあるITS。同社の高貫修代表取締役は、杉山常務と共に茨城のネットマーケティング環境の整備にあたってきた人物だ。高貫代表取締役の協力を得て、五つの強みを前面に押し出したHPに生まれ変わった。杉山常務は「水戸プリンスホテルならどのような体験ができるのかを踏まえてHPとプランを作成した」と説明する。

 楽天トラベルでは、宿泊者数で全国2位に躍り出たことがある。ユーザーからの投稿数は県内随一で、注目度の高さがうかがえる。とはいえ、杉山常務は現状に満足していない。「サービスの質をさらに上げて、HPに反映していく」と気を引き締めている。(信澤健太)

水戸プリンスホテルのホームページ。宿泊者の過ごし方に合わせたプランを用意している