選択と集中
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大三川彰彦 取締役日本地域担当 |
振り返ってみると、2010年の前半はスクール・ニューディール関連で教育関係や官公庁系の需要が高かった。後半は成長を促進する要因はなかったものの、セキュリティは不可欠なものという認識が高まって、個人、法人ともに確実な伸びをみせた。ISPや通信事業者を通じて提供するサービスが成長につながったほか、当社製品に限らず、主要コンシューマアプリケーションのサポートを行うサービス付きのパッケージが好調だった。
スモールビジネス向けでも、トータルサポートを行うSaaS型セキュリティサービスの展開により、パートナーがユーザーを容易に管理できるようになった。エンタープライズ関連では、当社から監視サービスを提供する「プロフェッショナルサービス」で成長を見込んでいる。サービスビジネスは、今後も重点商材になると捉えている。
仮想化やクラウドは、アジア圏で急速に立ち上がっているが、日本の市場の動きは慎重で、思ったほどには伸びなかった。とはいえ、採用は着実に進んでいる。個人情報をはじめとする安全なデータのやり取りの重要性が増す。デバイスの多様化も加速している。新しい領域が増えていくなかで、セキュリティも変化し続ける。2011年は「選択と集中」を進める。従来型のセキュリティでは、最適なリソースでも確実に保護できるようにする。新しい領域における顧客の課題を「選択」し、リソースを「集中」することで、成長につなげたい。