IT経営の真髄 ITCの支援で企業はこう変わる!

<IT経営の真髄 ITCの支援で企業はこう変わる!>23.サマデイ(早稲田塾)(上) 基幹システムの再構築に着手

2011/04/07 16:04

週刊BCN 2011年04月04日vol.1377掲載

 現役高校生向けの大学受験予備校である早稲田塾を運営するサマデイ(相川秀希社長)は、事業の拡大に合わせて、情報システムの導入や、情報セキュリティの確保を進めている。

 早稲田塾の誕生は1979年。現在は都内を中心に16校舎を構える。米TIME誌と提携した教材とiPodを活用する「英単語道場」やe-ラーニングシステムによる「演トレ指導講座」「虎の穴カンヅメ指導講座」、大学や研究機関と連携した「SuperProgram」などのプログラムを展開。2010年度からは中高一貫校の中学生対象講座と大学生・社会人向け講座「ビズテイメント」を開講している。早稲田塾財務・総務責任者の武藤秀子氏は「『ビズテイメント』はこれから本格的に展開していく。管理職向けクラスなど幅広いワークショップを導入している」と説明する。

 2004年から同社のIT戦略に関わっている山田一彦・ITコーディネータ(ITC)は「著しい成長のなかでシステム導入を推し進めてきた。常に価格面でシビアであるだけでなく、スピード感が求められてきた」と話す。当初は、勢いがある若々しい会社だという印象をもったが、新しい提案が多く、雑然となりがちであることに課題を感じたという。山田ITCが求められた役割は、IT戦略に計画性を持ち込み、経営の変化にITを適合させることだった。

 山田ITCが支援している主要分野は、(1)情報セキュリティ・個人情報保護の確保、(2)情報システムの導入、(3)ITマネジメント体制強化――の大きく三つ。具体的には、セキュリティポリシーの策定や社内研修の実施、ウイルス対策の強化、プライバシーポリシーの策定のほか、基幹システム、塾生向けサービス、e-ラーニングシステムの導入など。中長期の視点からIT整備に取り組み、ITベンダーとの取引の適正化やRFP(提案依頼書)の作成、レビュー、契約書内容のチェックなどを支援している。

 まず着手したのが、基幹システムの再構築だった。2004年当時、富士通のオフコンはハードウェアの保守期限を間もなく迎えようとしており、それを機に、基幹システムの再構築を考えたという。(つづく)(信澤健太)

早稲田塾のホームページ
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