視点

クラウドサービスを利用すべき理由の訴求を

2011/09/22 16:41

週刊BCN 2011年09月19日vol.1399掲載

 世の中のブームには少々遅れ気味ではあるが、近頃、私の周りでFacebookが大流行している。知り合いの中高年のIT業界の方々から友達のお誘いをたくさんいただく。それぞれが、これまでの関係の確認と新しい関係の形成に活用するのはもちろんだが、コミュニティ活動のツールとして利用したり、マーケティング・ツールとして利用したりと、その活用範囲に広がりがみられる。明らかにコミュニケーション/コラボレーション・ツールとしてのFacebookの評価が高まり、誰もがそのビジネスへの活用を意識するようになった。

 かつて自分の個人情報をインターネットで開示することに大変慎重であった人々が、今や積極的にそれをFacebook上に登録し、さまざまなコミュニティ活動に参加し、それぞれインターネット上で自己の存在感をアピールするツールとして利用し始めている。

 一方で、ビジネス・コミュニケーションの手段もずいぶんと変わってきた。私自身、固定電話を利用するのは週に数度あるかないかになったし、携帯電話にしても音声通話する機会が著しく減っている。また、携帯電話やパソコンのメールの利用も減る傾向にあり、それに代わって、TwitterやFacebookといったソーシャル・ネットワーク・サービスをコミュニケーション・ツールとして利用する頻度が高くなっている。このような変化の背景には、コミュニケーション機能を提供する新しいクラウドサービスが次々と登場し、それをパソコンと同じようなリッチ・インターフェースで利用できる携帯端末の品揃えが豊富になってきたことがある。

 今や、クラウドサービスを利用するクライアント端末が機能面でも操作性面でも洗練され、それを通じて提供されるコミュニケーション/コラボレーションのためのクラウドサービスが充実するなど、クラウドサービスの利用環境が整ってきた。そのことによって、クラウドサービスの利用促進に不可欠なユーザーのリテラシー・レベルは徐々にだが向上してきている。にもかかわらず、国内中小企業のクラウドサービスの利用は遅々として進んでいない。そこに欠けているのは、中小企業ユーザーにとってクラウドサービスをビジネスに使うべき理由の理解であり、それを活用することによるビジネス環境の劇的な変化に対応するビジネス改革への効果の訴求である。

一般社団法人みんなのクラウド 理事 松田利夫

略歴

松田 利夫(まつだ としお)
 1947年10月、東京都八王子市生まれ。77年、慶應義塾大学工学研究科博士課程管理工学専攻単位取得後退学。東京理科大学理工学部情報科学科助手を経て、山梨学院大学経営情報学部助教授、教授を歴任。90年代に日本語ドメインサービス事業立上げ。以降、ASP、SaaS、クラウドの啓蒙団体設立に参加。現在、「一般社団法人 みんなのクラウド」の理事を務める。
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