新しい価値の創造

今井幸隆 社長

　富士通エフサスの主要ビジネスであるメンテナンス（保守サービス）は、徐々に縮小するとみており、新たな価値を創造する必要がある。2012年は「“人・モノ・情報”をつなぐことで新しい価値を創造する」という年にしたい。その一環として、2010年12月に「次世代ビジネス企画本部」と称する組織を新設した。この部門では、農業や医療機関でのIT活用や、海外、セキュリティなど、七つのテーマを設定し、実証実験などを行って新規事業の芽を探してきた。ほぼ1年が経ち、手応えを感じている。2012年は結果を出す。

　2011年度（12年3月期）は、東日本大震災を経験してすぐに新年度がスタートし、先行きが非常に不透明だったが、上期は前年同期比で増収、利益は横ばいで終えることができた。下期は経済環境の悪化で、ユーザー企業がIT投資を控えている傾向がみられるが、増収増益を果たしたいと考えている。メンテナンスの落ち込みをカバーするために期待を寄せているのが、運用サービス事業だ。顧客の情報システムの運用を代行するサービスで、ニーズも旺盛だ。2ケタ成長を見込んでおり、提案活動を今以上に活発化していく。

　2012年度は、ユーザー企業が下期にIT投資を抑えていることを勘案すれば、全体でIT需要はプラスに転じるとみられる。新しい価値を創造して持続的成長を果たす。