1963年設立の「ウイスタリア洋菓子店」は、調布市東つつじヶ丘に、こぢんまりとした店舗を家族経営で営んでいる。顧客は地元の人が多いが、今年4月にホームページを刷新したことをきっかけに、ウェブでウイスタリア洋菓子店を知って、遠方から来店する人が日増しに増えているそうだ。
人気No.1は、北海道産のフレッシュクリームを使ってつくる「スーパーショート」。三代目で製造部チーフを務める近藤綾子氏は、「基本はショートケーキだけど、今までにない口溶けが楽しめるので、『スーパーショート』と名づけた」と説明する。
近藤氏は、製造部チーフとして洋菓子づくりを手がけながら、ホームページの刷新とともに、「ネット事業部マネージャー」を兼務するようになった。サイトの更新をはじめ、ネットショップの運営、Facebook、TwitterといったSNS(ソーシャルメディア)の活用など、ネット事業に関わるすべての業務を担当する。
ウイスタリア洋菓子店は以前からホームページを運営していたが、そのシステムが古く、写真や文書を迅速に更新することができないことがネックになっていた。「ケーキは季節によって頻繁に品揃えが変わるので、最新のものを迅速にホームページに載せたい」(近藤氏)と考え、今年4月にサイトのリニューアルを実施した。その折には、ウェブ活用に強いITコーディネータ(ITC)の小林邦人氏の力を借りた。そして、簡単に更新することが可能で、日々の変化をタイムリーに反映することができる新しいホームページをつくった。
小林ITCは、「初めて訪問したときに、5時間にわたって立ち話をした。ウイスタリアさんの要望を聞いて、整理し、ホームページ作成の提案を出した」と振り返る。ここ数か月の間、小林ITCは近藤氏とともに新しいサイトを制作し、次のステップとして、ネットショップの開設やSNS活用を実現してきた。近藤氏は、「ホームページ作成の経験はまったくなかったが、以前からイラストレータ(描画ツール)を使っていたので、サイトのデザインをつくるのは比較的簡単だった」という。ケーキを製造する合間の時間を生かして、ホームページの更新作業を行っている。(つづく)(ゼンフ ミシャ)

人気No.1のケーキ、「スーパーショート」を箱に詰める