東北地方の復興支援について、ITコーディネータ(ITC)の活動への期待が高まっている。東日本大震災によって大きな被害を受けた岩手・宮城・福島の東北3県では、道路や住宅など、物理的インフラの再整備が進んでいる。しかし、中小企業の本格的なビジネス再開や事業継続対策が遅れている状況にあって、中小企業向け復興支援の拡充が課題になっている。

 そうしたなかで、ITコーディネータ協会(ITC協会、播磨崇会長)は、東北地区を活動ベースとするITCの力を借りて、中小企業サポートの強化に動いている。今年3月、中小企業支援SaaS利用促進コンソーシアム(SPCS)、日立システムズとの共同で、東北3県の中小企業にクラウドサービスを、6か月間無償で提供するキャンペーンを開始した。

 東北地区では、144人のITC資格取得者(2012年3月末現在)が活動している。キャンペーンでは、ユーザー企業に密接する彼らを橋渡し役として、日立システムズの中小企業向けクラウド「Dougubako」を提供する。東北3県に本社もしくは拠点を構える従業員数100人未満の企業は、最寄りのITCに申し込み手続きをすれば、「Dougubako」を6か月間無償で利用することができる。

 東北の中小企業は、ビジネスを再開するだけでなく、次の震災に備えた対策を講じる必要がある。オフィスが地震や津波の被害を受けても、システムが止まらない仕組みづくりに向けて、クラウドの活用が注目されている。今回、無償提供する「Dougubako」は、オフィスソフトや顧客管理、給与計算といった業務アプリケーションをクラウド型で選ぶことができる。自社でインフラを導入することなく、インターネット回線があれば、すぐに利用することができる。

 日立システムズは、2012年9月、宮城県仙台市にある東北支社内に「震災復興支援プロジェクト」を立ち上げた。復興を支えるサービスの開発・提供に取り組んでおり、その一環として「Dougubako」の無償提供を決めた。今回のキャンペーンの指揮を執っているITC協会は、「Dougubako」の活用が中小企業の事業継続対策や事業拡大につながるとみている。現地のITCとともに、「Dougubako」を利用したいと考えている企業をサポートする。(ゼンフ ミシャ)