全府省庁が、少なくとも2013年度中には、公共データを公開するデータカタログサイトの試行版を立ち上げ、2014年度から本格的な運用を開始する。これは、前回も述べた通り、政府の新IT戦略に明確に示されている。
経産省が先陣、「Open DATA METI」
当然、各府省庁ともすでに取り組みを進めているが、先がけて動きをみせたのが、経済産業省だ。今年1月、商工業関連の統計・白書など、自らが保有するデータのオープンデータ化を実践するための試験サイト「Open DATA METI」を公開した。ちなみに、METIとは、経産省の英訳「Ministry of Economy,Trade and Industry」の頭文字を取った略称だ。
「Open DATA METI」は、公共データの幅広い利用を社会的に促す条件や公開方法、データ形式などについて試行するもので、企業、個人を問わず、国民(公共データのユーザー)からの意見を募集するために、「DATA METI活用パートナーズ」という制度も設けている。手続きを経てパートナーとして登録されると、公共データの活用アイデアや意見を直接経産省に発信できるほか、関連イベントの連絡やデータ更新の連絡などが受けられるようになる。
政府全体のオープンデータ利活用推進のための組織としては、有識者と関係府省庁の担当者で構成する「電子行政オープンデータ実務者会議」があるが、経産省は、この「Open DATA METI」の取り組みをベースに、ここでの議論をリードしている。具体的には、「共通語彙・文字基盤の整備」「統合的なデータポータルサイトの構築」などをすでに提案しており、政府の新IT戦略に反映している。(本多和幸)