今、人手不足といわれている業界の一つに警備があります。とくに2020年に開催される東京五輪の警備では、総勢5万人にも及ぶ人員が必要になるそうです。ここに需要があるとみたSEQSENSEは、開発した自律移動型ロボットを警備の分野で活用しようとしています。
どんな会社なの? 
黒田洋司
Co-Founder,CTO
自律移動型のロボットを開発しています。
SEQSENSEは、長年にわたり自律移動技術の研究を行っている明治大学理工学部機械工学科の黒田洋司教授らによって設立されたロボットスタートアップです。一年前頃から同技術の実用化に向けて動き出し、自律型移動ロボット「セキュリティロボットSQ-1」の開発に取り組んでいます。
何がすごいの?独自のレーザーセンサ技術を備えていることがポイントです。
セキュリティロボットSQ-1には、独自のレーザーセンサ技術を搭載しており、これによって、高精細な三次元の地図が作成できます。黒田CTOいわく、「30分ほどフリーに走らせるだけで十分なデータを取れる」そうです。また、人やモノをリアルタイムに発見することも可能で、自分で人やモノを避けて走ることができます。ロボットが収集したデータは、クラウド上で分析することも可能です。
SEQSENSEでは、このロボットをまずは警備の分野で活用しようとしています。具体的には、施設内の巡回警備など、警備員が通常こなしている業務の一部をロボットに任せるということです。警報を出したり、AI技術を活用して不審者の怪しい行動を検知し、他のロボットと連携して追跡することなどを目指しています。
セキュリティロボットSQ-1 今後の計画は?17年度中は実証実験。18年度中の商用化を目指します。
ロボットの実用化に向けて、これから実証実験を行っていきます。黒田CTOは、顧客がロボットに求める要件についてはそれほど個別性はないため、「一つしっかりしたものができれば、横展開ができる」といい、「顧客のニーズを技術に落とし込み、開発を進めていく」ことが現在の重要ミッション。18年度中に商用化し、将来的には海外展開も視野に入れています。
よろしくSEQSENSE
警備分野でのロボットの活用にあたり、2020年東京五輪での利用も目指していることの一つです。共同設立者の中村壮一郎CEOは、自律移動技術を実用化するにあたって、「警備はとにかく人員不足で、穴をなんとか埋めたいというニーズが大きい。ここにロボットは貢献できるのではないか」と考えたといいます。実際に警備会社からの引き合いは多くあるといい、これから実証実験も活発化します。近い将来には、パトロールする同社のロボットを見かけることがあるかもしれませんね。SEQSENSEは「自律移動型ロボット」でイッポ前へ!