おさらいキーワード
<おさらいキーワード>第17回 IBM Watson/AlphaGo
2017/05/24 09:00
週刊BCN 2017年05月15日vol.1677掲載
IBM Watson
米IBMが開発したAIプラットフォーム。人工知能といわれることが多いが、IBMは、AIを「Artificial Intelligence」(人工知能)ではなく、「Augmented Intelligence」(拡張知能)とし、「人間の知識を拡張し増強するもの」と定義している。質問応答システムと呼ばれることもある。
日本IBMのホームページなどによると、Watsonは、自然言語処理と機械学習で大量の非構造化データを分析し、複雑な質問に答えたり、データの関係を明らかにしたりすることができるとしている。
当初のシステムは、Linuxが稼働するラック10本分の「IBM Power 750サーバー」に、15TB分のメモリや、2880個のプロセッサ・コアを搭載。インターネットに接続されていない自己完結性を特徴としていた。名称は、IBMの初代社長、トーマス・J・ワトソンが由来とされる。
2011年2月には、米国のクイズ番組「ジョパディ」に出場。人間の歴代チャンピオンに勝利し、有名になった。Watsonは、番組出場にあたり、100万冊の本を読むのに相当する量の情報を学習していたという。
IBMは、Watsonを中核の事業に位置づけており、幅広い分野で導入を進めている。現在は、保険や小売り、教育など、日本を含む世界49か国で25以上の業種で取り入れられている。
米IBMが4月19日(現地時間4月18日)に発表した今年度第1四半期の連結決算では、Watson関連を含むコグニティブ・ソリューション部門の売上高は、前年同期比102.1%の41億ドルとなり、堅調に推移した。
AlphaGo
米グーグルの子会社「DeepMind」が開発した囲碁AI(人工知能)。日本語では「アルファ碁」と表記する。AIが囲碁のプロ棋士を初めて破ったことで有名になった。
DeepMindは、人工知能の技術を開発する会社として、英国で2010年に設立された。14年、グーグルに買収され、社名が「DeepMind Technologies」から「Google DeepMind」になった。
AlphaGoは、DeepMindが15年に開発した。ディープラーニングとモンテカルロ木探索を組み合わせているのが特徴。膨大な棋譜データを学習した後、自分と対戦して強化し、勝率の高い打ち手を選択できるようにする。
囲碁は、将棋やチェスに比べて複雑とされる。そのため、従来の囲碁プログラムは、アマチュアレベルまでしか到達できず、人間のプロ棋士に勝つのは難しいと考えられていた。
AlphaGoは、囲碁プログラムの強さを大きく引き上げた。15年10月には、欧州チャンピオンのプロ棋士に勝利。ハンデキャップなしでコンピュータがプロ棋士に勝ったのは、これが初めてとされる。
脚光を浴びたのは、16年3月に行われた韓国のイ・セドル氏との対局だ。世界的に有名なイ氏に4勝1敗で圧勝。囲碁プログラムが世界のトップ級に到達したことを印象づけた。
DeepMindは4月10日、現在、世界ランキング1位で、「人類最強」と評される中国の柯潔(カ・ケツ)氏と17年5月に対局することを発表。コンピュータと人間の頂上決戦に注目が集まっている。
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