2017年設立のACES(エーシーズ)は、AI研究で著名な東京大学松尾豊研究室発のスタートアップ。ディープラーニングを活用したヒューマンセンシング技術や画像認識技術に強みを持ち、大学研究室の学術的な知見をビジネスの場面で生かしながら、大手企業との共同研究などで事業を伸ばしています。
Company Data会社名 ACES
設立 2017年11月20日
所在地 東京都文京区
事業内容 ディープラーニングを用いた画像認識技術を中心とした、AIアルゴリズムソリューションの開発・提供
URL:https://acesinc.co.jp/ どんな会社なの?ヒューマンセンシング技術で、働くシーンにおける人の活動を定量化・最適化する会社です。
ACESは東京大学松尾研究室発のメンバーが中心となり設立されたAIスタートアップです。そこでの研究を軸に、特に人の行動や感情などの状態を認識・解析する技術である「ヒューマンセンシング技術」を用いて、人が働く環境の定量化・最適化を支援しています。
事業は主に、企業との共同研究開発と、アルゴリズムパッケージの開発・提供の二つを展開。共同研究開発ではこれまでに電通やSOMPOホールディングス、テレビ東京など業界大手企業と協業し、スポーツ選手の動作解析や、製造業における生産ライン全体の最適化などに取り組んできました。18年末ごろから事業を本格化し、現在までに10社ほどの企業と共同研究を行っているそうです。
また、アルゴリズムパッケージの開発・提供では、自社プロダクトとして「SHARON(シャロン)」を提供。コンサルティング会社やSIer向けに画像認識のアルゴリズムをAPIで提供するもので、今年5月にリリースしました。
何が強みなの?
田村浩一郎
代表取締役最先端のAIアルゴリズムにいち早くアップデートできることです。
ACESでは、新しい論文の知見をいち早く取り入れて高い精度のAIを提供することを重視しています。田村浩一郎代表取締役によると、AIのアルゴリズムは「2、3カ月で新しいものが出てくる」といい、そうした中で論文を読んで開発に取り入れるなど、「アカデミア(学界)のフロントをつなげられる力が、精度が求められるところでは大きな強みになっている」そうです。
ほかにも、SHARONでは複数の学習済みアルゴリズムを用意していること、「コード数行でAPIを組み込める」など簡単に使えることを強みとしています。
会社としては現在、センサーデバイスからビジネスのインサイトを蓄積したりアルゴリズムの学習精度を高めたりしている段階。今後は、定量化データを基にして、人員やコストなど働く環境全体の最適化を実現することを目指しています。
よろしくACES
設立2年のスタートアップながら、大手企業との共同研究とパッケージのライセンス事業で実績を重ねているACES。田村さんは、「まだまだ力不足と思うところはあるが、会社や自分としても学びを蓄積し、キャッシュフローを回せている状況は多少は評価できる」と、これまでのビジネスの手応えを話しました。ビジョンである「アルゴリズムで、社会はもっとシンプルになる」を実現していきます。ACESは「ヒューマンセンシング技術を用いた現場改善」でイッポ前へ!