就労人口が減少するなか、業務プロセスの改善、効率化は継続して取り組むべき課題である。最新のデジタル技術を駆使することで業務プロセスを短縮したり、省力化が可能になるものの、実際問題としてユーザー企業の現場部門の業務内容を知らなければ改善提案をすることは容易ではない。私は、現場のデジタライゼーションを推進していくには、ユーザー企業の業務の現場を知る努力が常々大切だと考えており、キーワードは「現場力を磨く」とした。

北野昌宏
社長

 例えば、設備保全で必要となる点検や受付業務、作業員や資材の手配、現場での修繕といった業務窓口を当社が一本化する支援を行ったところ、大型台風による被災時の修繕期間が過去の同等の被災規模のケースと比較して5カ月から4カ月に短縮できた事例も出てきた。

 作業現場の多くは、紙や電話での伝達が残っており、これをオンラインでつなぐだけでも、随分と効率化につながる。また、日頃からベテラン作業員の技やノウハウを若手が学びやすいようデジタル化したり、AIに学習させたりすることによって、作業員の負担軽減、若手の早期育成が期待できる。

 とはいえ、技やノウハウの継承を支援する場合でも、われわれITベンダーが作業の現場をつぶさに観察して、作業員の使う言葉の意味を理解しなければ、いくらAIだIoTだと並べ立てても、そもそも会話すら成立しない。ITの専門家として最新のデジタルを身につけるのは当然として、その上で現場力を磨くことで課題解決の能力をより高めていく。