視点

サイバー大学 IT総合学部教授 勝 眞一郎

2020/05/22 09:00

週刊BCN 2020年05月18日vol.1825掲載

 4月7日、新型コロナウイルス感染症対策本部長である安倍晋三首相より「新型コロナウイルス感染症緊急事態宣言」が発出された。政府および各自治体からの外出自粛要請で多くの企業、学校、その他の組織で感染予防のために在宅での仕事への移行が進み始めている。

 今回の感染症が収束に向かったとしても、今後も在宅での仕事を選択するニーズは高い。日本がデジタルで変革するためには、どのような取り組みが必要であろうか。現時点で思いつくベスト7、すなわち七策を考えてみた。

1:電子データによる本人認証。パスワードでも顔認証などの生体認証でも良いので、本人であることを証明する方法を採用する。より優れた技術が出てきたら更新する。

2:捺印を止める。捺印するために私たちは紙を印刷し、捺印し、それを郵送する。電子データで本人確認ができれば、紙を物理的に運搬する必要がない。

3:行政ネットワークの多重化。行政組織内の機密度の高いデータはクローズドのネットワークにしておき、それとは別に外部とつながるネットワークを確保しておく。

4:マイナンバーカードの国民全員配布と口座登録。公共サービスを対象者に効率的に提供するためにも、本人の意思による取得ではなく配布を行う。対象者に補助を行う際に必要な銀行口座もあらかじめ登録しておく。迅速な行政サービスはこれからの行政の重要な評価指標になる。

5:デジタルデバイドの解消。各種組織の中で年齢や職種を問わず、デジタル技術の利用に取り残された人を放置してはならない。小学校の校区ごとにITサポートの担当を置くなどして、全員がデジタル技術を使いこなせるよう支援環境を充実させる。

6:選挙の電子投票化。投票所の開設・運営、開票時の判読ミス、開票にかかる膨大な時間とコストを削減するために、上述の本人確認の技術が導入されたのちに、どこにいても投票できる電子投票に移行する。

7:小中高校生へのPCとネット環境の提供。教育の現場でインターネットにつながっていることでできることが多くある。より効果的な学習を進めるために学習環境を全員に提供する。

 以上のことが社会インフラとして整備できたとき、日本は文字通りバージョンアップのスタートラインに立つ。
 
サイバー大学 IT総合学部教授 勝 眞一郎

略歴

勝 眞一郎(かつ しんいちろう)
 1964年2月生まれ。奄美大島出身。98年、中央大学大学院経済学研究科博士前期課程修了。同年、ヤンマー入社、情報システム、経営企画、物流管理、開発設計など製造業全般を担当。2007年よりサイバー大学IT総合学部准教授、12年より現職。NPO法人離島経済新聞社理事、鹿児島県奄美市産業創出プロデューサー。「カレーで学ぶプロジェクトマネジメント」(デザインエッグ社)などの著書がある。
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