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「ディープラーニング」の用語解説、得意とする領域は?

2021/09/21 18:33

週刊BCN 2021年09月20日vol.1891掲載

 機械学習の手法の一つで従来の機械学習の発展形でもある。第3世代のAI(人工知能)とも言われる。人間などの生物が経験から学習するように、AIにデータを与えることで自律的に「学習」させ、高精度な認識や推論を実現する。

 ディープラーニング(DL)では、人間の神経細胞(ニューロン)の構造に着想を得たアルゴリズム「ニューラルネットワーク」(NN)を多層構造化することで、タスクを実行するための論理となる「モデル」の精度を大幅に高めている。

 NNは入力層、中間層、出力層で構成。入力層で取り込まれたデータは、中間層でそれまでの学習から調整された「重み」(ある要素を抽出する上で重要かどうかを表す評価の値)などに応じて選別され、扱いやすいデータに変換された上で出力層へ渡される。出力層でもさらに修正が加えられ、最終的な結果となる。

 DLの得意領域として、主に画像や音声の認識、自然言語処理、異常検知が挙げられ、幅広い分野で利用されている。特定分野では非常に高い精度の分析が可能だが、出力結果の根拠が不透明な点が課題とされる。例えば、医療診断など人の生命に関わる行為にAIが利用される場合、根拠がわからないと、信頼性が担保できない状況が生まれる。この問題は「ブラックボックス問題」とも呼ばれ、解決策の研究が進められている。
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