視点

これからも役割は変わらない

2024/01/31 09:00

週刊BCN 2024年01月29日vol.2000掲載

 「十年一昔」という言葉がある。手元の大辞林には「10年たてば昔のことといえる。世の移り変わりの激しいことを、10年を一区切りとしていう語」とある。多くの場面で当てはまり、IT業界を取材する中でも10年前のことが話題に上がることは少なくない。

 週刊BCNは、1月29日で紙齢2000号を迎えた。1981年10月の創刊から42年余り。これまでに読者の皆さまからご支援とご協力をいただき、IT業界の動向を伝え続けることができた。心から感謝したい。

 過去の紙面を振り返ると、IT業界の変遷が分かる。そのときに売られていた商材のほか、既に市場にはない製品や、業界の再編などによって名前がなくなった企業を見つけることもできる。一方、創刊当初から紙面に登場している企業もあり、現在は「老舗企業」と呼ばれている。

 IT業界では、新しい技術や企業が登場し、それまでの常識を大きく覆している。その様子は「破壊的イノベーション」などと称されてきた。既存の企業にとっては脅威になるかもしれないが、アイデアとチャレンジ精神があれば誰でもチャンスをつかむことができ、これがIT業界の発展の源泉になっていると言っても過言ではないだろう。

 この10年で劇的に普及した技術の代表例として、クラウドが挙げられる。登場した当初は、セキュリティの観点などから利用を敬遠する動きがあった。しかし、政府が推奨する「クラウド・バイ・デフォルト原則」をはじめ、今ではクラウドを前提とする考え方が広がっている。

 クラウドサービスを提供するIT企業のうち、米国の大手企業は市場で大きな存在感を示している。新しい市場をつくり出し、急速に成長できたのは、IT業界ならではといえる。クラウドサービスを手掛ける国内のIT企業も、より高い頂を目指して奮闘している。取材先の中から、世界を代表するような企業が誕生するかもしれないと考えると胸が躍る。

 国内のIT市場は、各企業の堅調な投資に支えられ、引き続き拡大すると予想されている。週刊BCNは、これからも公平・中立の立場で業界内の動向を取材し、情報を発信していく。一つ一つの記事の積み重ねが記録となり、過去を振り返る際に役立ててもらえるとうれしい。今後ともよろしくお願いします。

 
週刊BCN 編集長 齋藤 秀平
齋藤 秀平(さいとう しゅうへい)
 1984年4月生まれ。山梨県甲州市出身。2007年3月に三重大学生物資源学部共生環境学科を卒業。同年4月に伊勢新聞社(津市)に入社し、行政や警察、司法などの取材を担当。16年4月にBCNに入社。リテール業界向け媒体の記者を経て、17年1月から週刊BCN編集部に。上海支局長を務め、22年1月から現職。旧姓は廣瀬。
  • 1