独Celonis(セロニス)は10月16日、メディア説明会を開き、バスティアン・ノミナヘル共同創業者兼共同CEOがAI戦略について解説した。AIの価値を最大化するために同社が提供するProsess Intelligence(プロセスインテリジェンス)が不可欠だと強調した。
バスティアン・ノミナヘル 共同CEO
ノミナヘル共同CEOは、生成AIの活用が多くの企業で進んでいる一方、現状のユースケースは開発用のコード生成やカスタマーサポートにおけるチャットボットなどにとどまっており、氷山の一角に過ぎないと分析。「本当の意味でAIの投資対効果を得るには、ビジネスプロセスの改善と自動化が必要で、そのためにはデータのコンテキストがアクセス可能な状態になっているかが重要だ」と指摘した。
同社は、一つのプロセスに特化して可視化する従来のプロセスマイニングを進化させ、バリューチェーンの最初から最後まで連続的に可視化するOCPM(Object Centric Process Mining)をベースとした製品を展開。AIエージェントが業務プロセスを理解し、改善提案や自動化を実行できる基盤として「Process Intelligence Graph」を提供している。同社はAI活用のアプローチとして、高付加価値を生むAI活用と企業全体でのAI導入の2点にフォーカスする。「AIにとって、当社が提供するデータが欠かせない」(ノミナヘル共同CEO)と優位性を強調した上で「日本は生産人口減という課題を抱えており、より価値を出せる適切な市場だ」との認識を示した。
日本法人の村瀬将思社長は、プロセスインテリジェンスによって企業内の在庫を最適配置し、キャッシュフローを最適化できると説明し、「AIとプロセスインテリジェンスの事例を国内のパートナーとつくっている」と述べた。
(堀 茜)