旅の蜃気楼

北京

2003/11/10 15:38

週刊BCN 2003年11月10日vol.1014掲載

▼夜景に輝く天安門広場を見学してきた。広々とした分厚い石畳の上を歩く。風が吹くと、吹きっさらしなため、けっこう肌寒い。あちこちに警備の制服姿があって、緊張する光景も寒気を煽っているのだろう。天安門は大きくて威厳がある。この国はとても強そうな国だ。東京の夜景を見ながら生活しているコラム子も、このスケールの大きさには脱帽だ。そこからタクシーを走らせて、官庁街の夜景を楽しんだ。途中に大きなホテルもあって、これは帝国ホテルを規模で凌いでいる。北京はなんて大きな街なんだろう。ここはアジアのキャピタルだ。

▼今回の北京訪問は、1年4か月ぶりだ。2001年11月にWTO加盟、02年11月に資本家の党員参加を認めた中国共産党規約の改正、今年10月には有人衛星の打ち上げに成功(世界第3番目は日本ではなくて残念だった)。中国は資本経済の先進国に向けてまっしぐらだ。日本のトップ企業も本格的に中国へ進出。08年のオリンピック開催の頃の北京はどんなだろうか。その一端を中関村に垣間見た。現在、パソコンショップが肩を並べて入居している大型ビルは、北京大学のものも含めて4つある。ビルの中は売り手も買い手も20代で、熱気に圧倒される。今の規模は秋葉原のほうが大きい。ところが、05年の完成を目指して、中関村・北京シリコンバレーが建設中だ。新宿副都心の2.5倍の規模と見た。さらに中関村のある4環状道路を東に走ると、オリンピック村を建設中で、ここは副都心の15倍はあるそうだ。21世紀の天安門が、世界の投資で今、建設中だ。早く見に行ってください。(北京発・笠間 直)
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