北斗七星

北斗七星 2005年2月14日付 Vol.1076

2005/02/14 15:38

週刊BCN 2005年02月14日vol.1076掲載

▼中国や韓国など正月を旧暦に従う国々では、今年は2月9日に春節(旧正月)を迎えた。韓国では8─10日が祝日となり、また中国では15日までの1週間、官庁や企業が休暇をとる。一足早く正月を祝った日本としては羨ましく感じられないでもないが、この間、中国では人の大移動が繰り広げられ、帰省に合わせて土産品や贈答品が飛ぶように売れているそうだ。また、今年は薄型テレビなどのデジタル家電に人気が集中。春節商戦が盛り上がっているという。

▼中国といえば低価格品市場の代名詞のように言われた時代もあったが、それも今は昔。例えば上海の人口約1700万人のうち5%が高級品の購買層だとしても、その数は85万人。分母が大きい分、マーケットも巨大だ。米欧のクリスマス商戦、日本の年末年始商戦、そして中国の春節商戦。これまで日本の大手ITメーカーはクリスマス商戦、年末年始商戦に照準を定め、商品戦略を練ってきたが、これからは春節商戦も組み入れて考えていく必要がありそうだ。

▼もっとも、急激な経済発展の影で〝混沌〟が混じり合っているのも中国。上海の街角では、1つの車線に2台の車がわずか数十センチの間隔を保ちながら並んで走るシーンを見かけたが、これも急成長する自動車産業に、インフラ整備が追いつかず、道路が飽和状態に陥っていることにほかならない。危うさをはらみながらも、成長のアクセルを踏み込もうとする中国。そんな市場と日本企業はこれから向かい合っていかなければならない。
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