北斗七星

北斗七星 2005年8月8日付 Vol.1100

2005/08/08 15:38

週刊BCN 2005年08月08日vol.1100掲載

▼2000年1月1日午前零時。Y2K問題で何が起きるのかと、緊張の面持ちで取材待機していた記憶がよみがえった。午前1時、2時と刻々と時間が過ぎ、原子力発電所などで小さなトラブルが発生したものの、生活を揺るがすような災害には至らず、夜明けを迎えた。Y2K問題の回避に向けエンジニアが必死に対策に駆け回った結果なのか、もともとカレンダー機能を搭載したコンピュータの数はそれほど多くなかったのか。ともあれ、マイコンが抱えていた「静かな時限爆弾」は作動せず、おとなしくミレニアムの時を迎えた。

▼一方、もう1つの「静かな時限爆弾」、アスベスト(石綿)は願い虚しく〝発火〟に至った。6月末のクボタの発表以来、次から次へと被害が報告され、災禍は拡大の様相を呈している。1980年代後半、北斗子はアスベスト問題を追ったことがある。当時、天井などに露出していた吹き付け石綿が大きな問題となり、その危険性、除去の必要性が声高に叫ばれていた。

▼中央省庁では、健康や労働者保護の観点から厚生省や労働省、除去に向けては建設省、学校の対策には文部省といった具合にそれぞれ対策に乗り出し、いったん問題は収束していったかに見えた。だが、問題は単に忘れ去られていただけで、時限爆弾は静かに時を刻んでいたわけだ。振り返ると、各省は個々に対策を打ち出したものの、横断的な取り組みはなかった。最近でこそ情報セキュリティ分野などではそうした連携も見られるようになったが、まだまだ垣根は高いように感じる。
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