▼「新s　あらたにす」。日本経済新聞社、朝日新聞社、読売新聞社が共同で立ち上げたWebサイトである。なんだかマスコミ界の強者連合といった顔ぶれだが、プレスリリースでは結成の目的を次のように表明している。「メディアの多様性が急速に進んでいるが、3社は新聞こそが最も信頼性の高いメディアであり、今後もそうあり続けなければならないと考えている。現在、ネットに配信されているニュースについても、大半は新聞社の記者が取材して記事にしたものだ。『新s　あらたにす』は、ニュース発信者である新聞社が力を合わせて新たな価値を提供し、ネット社会での新聞社の影響力、発信力をいっそう高めることを目指す」。

▼相変わらず、鼻持ちならないエリート意識に凝り固まっているなと思う一方、小とはいえ新聞発行に関連する身として、〝新聞こそ最も信頼性の高いメディアであり続けなければならない〟という点はその通りだと思う。その新聞の生き残り策が、企業連合というのはいささか解せないが、一読者としてみれば記事内容を「比べられる」というのは助かる。

▼2月2日付の社説では、日経が「ネット市場の主導権狙うマイクロソフト」、読売が「MS・ヤフー　IT業界揺さぶる買収提案」とMS、ヤフー問題を取り上げていた。双方とも、内容は背景説明が中心で、愚にもつかない議論だなというのが第一印象だが、手間ヒマかけずにこんな結論がだせる。せいぜい利用させてもらおう。