BOOK REVIEW

<BOOK REVIEW>『5分で身につく!部下が育つ「話し方」』

2009/12/24 15:27

週刊BCN 2009年12月21日vol.1314掲載

 部下の育成・マネジメントは、管理職の立場にある人にとっての“永遠のテーマ”。だからこそ、この分野の書籍は数え切れないほど多く出版されている。今回取り上げるのは、その名もずばり「話し方研究所」の会長の手になる本である。コミュニケーションの専門家が著しただけあって、こむずかしい表現は皆無。すらすらと読める。

 章立ては「基本編」「目的編」「聞き方編」「説得編」「実践編」の五つ。それぞれの章に、(1)現場で実際に起こった出来事を事例として紹介、(2)そのなかの問題点を炙りだし、(3)コミュニケーションのとり方を指南するという形で解説がなされている。解説は全部で88項目、気になる項目を拾い読みしてもよい。本のタイトルに「5分で身につく!」とあるのは、1項目が見開き2頁で完結していることを指しているものと思われる。

 内容の一部を紹介すると──。

 「シェイクスピアにこんな一言がある。 『言っていることは正しいかもしれないが、今言うのは間違っています』

 正しいことでもタイミングが合わないと逆効果の恐れもある。コミュニケーションの難しさであり、状況判断の大切さでもある」

 どうです? 思い当たるフシはありませんか? 部下を抱える人にとって、自らの言動を振り返って点検してみるのにぴったりの“教材”でもある。(止水)

『5分で身につく!部下が育つ「話し方」』
福田健著 日経BP社刊(1400円+税)
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