旅の蜃気楼

海外の友人たちが心配してくれた巨大地震

2011/03/24 15:38

週刊BCN 2011年03月21日vol.1375掲載

【内神田発】3月11日、金曜日、午後2時46分。執務室にある55インチの薄型テレビがユラっと動いた。間もなく、事務所のビルが揺れた。ガタガタ、ゆらゆら。尋常の揺れ方ではない。さらに激しく揺れる。それが『東北地方太平洋沖地震』の始まりだ。ビルに面した外堀通りには退避した人たちが集まって、恐怖の眼差しで揺れるビルを見上げている。少し落ち着いてから、テレビのスイッチを入れた。目に飛び込んできたのは、まるでSF映画のようなシーンだった。巨大な津波が町を飲み込んでいく。その速度は想像をはるかに超えている。大型漁船を住宅街に運び、家を押し倒す。車を押し流す。真っ黒な濁水が暴れ回る。

▼首都圏でも交通機関は麻痺した。コンビニの棚は空になった。電車が動かないので、徒歩で5時間かけて自宅にたどり着いた社員もいる。翌日になって、災害の実態が明らかになり始めた。日を追うごとに被害の規模が尋常ではないことが鮮明になってくる。

▼日曜日になると、海外の友人からお見舞いメールが入り始めた。原文のまま紹介する。

 中国の友人から。「金曜日からずっと地震のニュースを聞きまして、テレビも悲しい映像をいっぱい放送されまして、とても心配しております。悲しいです。東京の皆さんは大丈夫でしたか? もし食品、服などの必要品が必要であれば、ご遠慮なく、教えてください。上海から郵送いたします。皆無事なことを祈ります」

 韓国の友人から。「こんにちは。Okudaさん、無事ですか? TVを通じて日本の地震を見ました。あまりにも驚くべきで恐ろしい事が起りました。Tokyoは安全ですか? 韓国でも多くの人々が日本の人々を心配しています。もし助けの必要な事があればいつでも連絡をください。お元気に願います」

 今すべきことは何か。復旧活動を支援する、明日のためにつながる今を活動する、喪に服す。そしてまた考える。今すべきことは何か。復旧活動を支援すること、喪に服すること、明日のためにつながる今を活動すること。夢と希望が明日をつくる。夜明けは必ずやってくる。(BCN社長・奥田喜久男)
  • 1

関連記事

大震災関連のIT業界の動きを一覧できます

【震災関連情報】震災、計画停電、ITベンダー各社、対応やバックアップ体制を急ぐ

【震災関連情報】情報サービス業界、週明け月曜日は混乱不可避