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震災でハードは売れない

2011/05/09 15:26

 各社から2011年3月期の通期決算が相次いで発表されています。それをみると、昨年度は多くの上場企業が好業績でした。しかし、今年度の見通しはというと、ほとんどで業績予想を出していません。東日本大震災や福島第一原発事故の影響がどの程度なのか、読み切れないのです。

 その中の一社、富士通も先行きに対して数値的な予測を発表していませんが、クラウドコンピューティングに関する需要が高まることを期待して「データセンターを増床する」としています。また、東京電力管内の計画停電を警戒し、東京のシステムの一部を兵庫県と富山県のデータセンターに移すそうです。

 各種調査機関が今年度の市場予測を出していますが、残念ながら、どれも昨年度から数%のマイナス成長になっています。最も影響を受けているのが、ハードウェアです。数社のサーバーメーカーから聞きましたが、「東北の工場の損壊や部品調達の面で製品自体が出荷できない」と、売りたくても売れない状況にあるようです。

 ただ、いまはハードが右から左へと売れていく時代ではありません。とくに、震災の影響で「所有から利用へ」の流れは顕著になりますし、提案次第では、マイナス分を減らすことができると思います。(谷畑良胤)

【記事はこちら】
富士通、2010年度業績は増収減益、震災による営業利益減少幅は124億円
メールマガジン「Daily BCN Bizline 2011.5.9」より
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